フェアリィ・ダンス編〜妖精郷の剣聖〜
第六十一話 目指すべき場所は――
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
死で慰めているキリト、そして何食わぬ顔でその光景を見ているソレイユだった。
「ど、どうしたの?」
「ユイの名誉のために言えんな」
原因であるソレイユだが、それを感じさせることなくリーファ言う。ソレイユの言葉に疑問を抱きながらもリーファは言う間も惜しんで口を開いた。
「キリト君、ソレイユ君――ごめんなさい」
「え、ええ?」
「ん〜?」
「あたし、急いでいかなくちゃいけない用事が出来ちゃった。説明してる時間もなさそうなの。たぶん、ここにも帰ってこれないかもしれない」
そう語るリーファからただならぬ雰囲気を察したのか、顔を引き締めてリーファの眼を見つめるキリト。その姿を横目に見るソレイユ。そして、キリトは一度頷いてから口を開いた。
「そうか。じゃあ、移動しながら話を聞こう」
「・・・・・・え?」
「それでいいな、ソレイユ」
「ご自由に」
キリトの言葉に肩を竦めながら答えるソレイユ。それを見たキリトはリーファに向かって聞いた。
「どっちにしてもここからは足を使って出ないといけないんだろう?」
「・・・・・・わかった。それじゃ、走りながら話すね」
そう言って三人はルグルーを出て湖にかかる橋を走っていく。そこで聞かされたのはシルフとケットシーの階段をサラマンダーが邪魔をしようとしていることだった。ALOを始めて日の浅いキリトは各種族の勢力図がわからないためリーファにいろいろ聞いている。その隣でソレイユはルシフェルがまだサラマンダー領主モーティマーと交渉していないことを悟った。しかし、別にそれとこれは無関係であるため特にルシフェルを責めたりはしない。だが、ソレイユとしてもシルフとケットシーの領主が討たれてしまうのはソレイユ的に見てもあまりよろしくない。
そこまでソレイユが考えたところで、リーファは足を停めてしまう。それを見たキリトとソレイユも足を停めた。
「世界樹の上に行きたい、っていうキミの目的のためには、サラマンダーに協力するのが最善かもしれない。サラマンダーがこの作戦に成功すれば充分以上の資金を得て、万全の態勢で世界樹攻略に挑むと思う。スプリガンなら、傭兵として雇ってくれるかもしれないし。――今、ここで、あたしを斬っても文句は言わないわ」
そう言うリーファ。それを聞いたキリトは呟くような小声で口を開いた。
「所詮ゲームなんだからなんでもありだ。殺したければ殺すし、奪いたければ奪う。そんなふうにいう奴には、いやっていうほど出くわしたよ。それもこの世界の一面だと思う。でも、そうじゃないんだ。仮想世界だからこそ、どんなに愚かしく見えても守らなきゃいけないものがある。俺はそれを――大切な人に教わった・・・・・・自分の利益のためにそういう相手を斬るよなことは、俺
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ