第百五十八話 ヴァンフリート星域会戦 その7
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を指示した。
そしてモンシャルマン少将に自分の考えを伝えた。
「少将、こいつは出発点こそ、単なる遭遇戦に過ぎないかもしれんが、或いは低気圧の中心みたいに、嵐を呼び集める事に成るかもしれんぞ、その結果がどうなるか、生きて見届けたいものだな」
指令を受けたファイフェルがエマーソン艦長に聞こえるように大きな声で復唱する。
「進路変更、110°目標ヴァンフリート4=2」
ビュコックは後方基地を助けるべく艦隊を4=2へと向かわせたが、まさかその緊急電自体がケスラーの仕掛けであり、無人と成った後方基地からの自動発信だと気が付かなかった。此により同盟軍はテレーゼが考案し、ケーフェンヒラー大将が味付けした嫌らしく狡猾な罠にはまったのである。
4月5日
■ヴァンフリート4=2宙域
銀総旗艦ヴィルヘルミナでは同盟軍第五艦隊がヴァンフリート4=2へ向かうことが確認されると、歓声が起こった。
「閣下、敵艦隊は罠に掛かりつつあります」
「うむ、全艦隊、順次進撃せよ」
エッシェンバッハの命令にホイジンガー艦隊を先鋒に順次4=2宙域へと進撃していく。
ヴァンフリート4=2へ接近した第五艦隊は直ぐさま偵察型スパルタニアンが発艦し偵察に向かった。程なくして、4=2後方基地付近で地上戦闘マシン同士の戦闘が確認されたが、量的にも帝国軍に押されているのか、次々に同盟側の装甲車両が撃破されていくのが判った。
無人状態にもかかわらず、戦闘しているように見える絡繰りは、偵察用スパルタニアンが近づくの後方基地の早期警戒レーダーで感知し、その指令でケスラー達が置いた無人で動けるように改造した地上攻撃メカが、一定の時間になると主砲やミサイルを発射して、如何にも後方基地を攻撃しているように見せていたのである。
そんな中、第五艦隊を追撃してきた帝国軍主力艦隊は狭い宙域の戦闘用マニュアルを作成し、艦隊運動をそのパターンで行い、味方が必要以上に集まらないようにしながら、新開発のIFF(敵味方識別装置)により味方艦が射線上に入ると自動的に発砲が出来なく成るシステムを使い、的確に同盟軍の艦艇に攻撃を加えていく。
同盟軍側は余りに狭い宙域により、戦術的展開が困難ながら、名将ビュコックの手腕で一進一退の攻防を繰り広げている。
帝国軍側は、狭い宙域に進入せずに4=2上空に第五艦隊が居座るように調整を行いながら押したり引いたりしながら攻撃を加える。アステロイドベルトに隠れるレーテル艦隊は完全に機関をミニアムにし小惑星にアンカーを打って停泊状態で待機している。帝国軍は余裕を持って同盟軍の全艦隊が集まるのを待っているのである。
第五艦隊ではビュコックとモンシャルマンが話していた。
「敵も中々、痛い所を突いてくるの」
「はい、地上
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