暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十六話:サンタローズの村
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ずに、ヘンリーも着いてきます。

 橋を渡って武器屋の前を抜け、遠目には変わらないように見える我が家が見えて。
 完全に走り出したところでヘンリーの手が外れて、一人で家の前に着いて、扉に手を掛けて。

 ガチッと錠のひっかかる音がして、扉は、開きませんでした。

「……そりゃ、そうか」

 村が無事で、罪人扱いはされてなくても。
 それならパパンが死んだことは、王様がちゃんと伝えてくれただろうから。
 私も死んだと思われてる以上、サンチョが一人でここに残る理由なんて、どこにも無くて。
 最後の義務を果たしに、国に戻ったに決まってる。

 事実を確認して少し冷静になって家をよく眺めると、荒れているというほどでは無くても、サンチョが手入れしていた花壇に花は無く、窓の鎧戸が閉められて、今も人が住んでいる様子はどこにも見当たりません。

 溜め息を吐いて振り返ると、馬車を引いたヘンリーが追い付いてきてました。

「ヘンリー。ごめんね、置いてきちゃって」
「いいよ、謝らなくて。……サンチョさん。やっぱり、いないのか」
「うん。そうみたい」
「そうか。……このまま、洞窟に行くか?それとも少し、休むか」
「大丈夫。行こう、このまま」

 話していると、遠くから呼び掛けられました。

「もし。この家に、なにかご用ですか?」

 少しの警戒を含む女性の声に、しまった怪しかったか、と少し反省して、そちらに向き直ります。

「すみません。……古い、知り合いの家で。今も、住んでいるならと思いまして」

 嘘を吐く理由は無いけど、冷静に説明できる気もしなくて、ギリギリ嘘では無いようなことを、なんとか微笑みながら言うと。

 十年前は見習いになりたてで、まだ少女の域を出ていなかった、今ではすっかり大人の女性になった村のシスターがそこにいて、ぽっと顔を赤らめて。

 うん、いま男装中だからね、私。
 多少怪しかろうが、そりゃあシスターだって赤くもなるよ、無理も無い。

「そうでしたか。……ご存知かもしれませんけど、この家の方は……」

 頬を赤らめながらも神妙な顔で言い淀むシスターに、この流れなら言えそうだと思い。

「はい。知ってます。私も、ここに住んでましたから」

 シスターが驚きも露に、顔を赤らめることも忘れて、まじまじと私の顔を見詰めます。

「ここに、って……。あなたは、まさか……。いえ、そんなはずは……。そもそも、男の子では無かったし……」

 すみません。
 余計な混乱を招いて、本当にすみません。
 でも、こちらにも事情というものが!

 だから言ったのに的なヘンリーの視線はキレイに受け流し、シスターに事情を説明します。

「女の身だと、色々と不都合があるので。こ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ