33部分:第三十三章
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
水もまた悠然と笑って返す。まるで全てがわかっているかのように。
「どうでしょうか、そちらは」
「あら、わかってるのね」
沙耶香も笑って速水に返す。
「そうよ。その通りよ。やっぱりそちらは気分じゃないから」
「やれやれです。では何でしょうか」
「北海道だからね」
ここで言葉が思わせぶりになった。
「海のものが食べたいのよ」
「海のものですか」
速水もまたその言葉に顔を向ける。まんざらではないといった様子であった。
「そうよ。お寿司かお刺身を」
「悪くないですね」
そのまんざらでもない様子をまた見せる。
「それではどちらに行かれますか?」
「まだお店は開いているわよね」
「ええ、充分です」
左手の腕時計を見ての言葉だった。見れば沙耶香もその懐から懐中時計を見ている。見るものは全く同じものであった。
「この時間なら」
「それじゃあ決まりね」
沙耶香はそれを聞いて言ってきた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ