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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
黒鎧演義・其ノ八
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られるすずかお嬢様というらしい。何と新お兄ちゃんが月村家長女と恋仲らしく、その関係で僕の顔を見に来たらしい。襲撃事件もちゃんと謝ったら笑って許してくれた。むしろあの襲撃で警備増強の方向性が定まったらしい。・・・あな恐ろしや、あれ以上強化するんですか。

そして現在は先ほど言ったすずかお嬢様とおしゃべり中。なのはから僕の話を聞いていたらしく、興味があったそうな。しかし特に話すことが思いつかなかったのでさっき見た夢を話した。すずかお嬢様は考えた後、ちょっと顔を曇らせながら自身の考えを口にする。

「そのおばあちゃんは生きてたんだよ。だって、殺されたんでしょ?生物に死は一度しか訪れないよ」
「でも夢の中のおばあちゃんは一度死んだ。きっと死亡診断書だってあった」
「本当に死んだの?ただ人と違う身体に作り替わったのが、普通の人から見て死んだように見えただけじゃないかな?それなら死んだって言えないと思うよ。何より命の証・・・血が流れたんだし」
「・・・でも、それじゃどうしておばあちゃんは殺されなきゃならなかったの?」
「それはきっと・・・ヒトと違ったから。人間は弱いから、自分と違う生き物を恐れ、手懐けようとしてきた。でもおばあちゃんは人間の姿をしているのに人間じゃなかった。だから手懐けられないと思って怖くなったんだ」

法律。ルール。決まり事。人が獣にならないように作った野性を束縛する鎖にして楔。それに当てはまらないから夢の中のおばあちゃんは殺された。おばあちゃんの意思も聞かずに一方的に殺すのが、ルールだろうか。

「そんなのおかしい。人が勝手に作ったルールで人じゃない存在が殺されるなら、人は神になったとでも言うの?知恵の実を食べたからって完全な存在には程遠い。神はアベルの供物を選び、カインの供物を受け取らなかったじゃないか。なのに人でない存在は殺されるの?供物ですらないのに?」
「カインはアベルも殺したよ。人も殺す存在が人以外を殺さないなんてあるかな?兄弟を殺したんだから兄弟以外も人は殺せる。人でなければもっと殺せる。同族じゃないからって言うだけの理由で・・・人間は臆病だから、自分以外は何だって殺せるよ」
「人の方がよっぽど化物じゃないか。まるでリヴァイアサンだ。人と言うくびきそのものが怪物だ」
「そうだよ。人間は怖い。だから化物は人の振りをして怪物に紛れ込むか、ずっとかくれんぼをするしか争わない道はない。争ったら、人と変わらなくなっちゃうから」
「争いは嫌だ。沢山の赤色が流れる。赤は命の色だから、命が流れ出れば生物は死ぬ。死ぬのは怖いけど、死なれるのも怖いから僕は血が見たくないんだ」
「じゃあ命を吸わないと生きていけない吸血鬼はどうするの?」
「・・・怖い。でも僕は・・・怖い存在の命が流れるのも怖いよ。僕はカインの末裔の命と自分の
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