暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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こんにちは。ギルバートです。突然のアニエス訪問で、訓練どころではなくなってしまいました。このままでは、固有武器無しで原作に突入……なんて事になりかねません。私に死ねと言うのでしょうか?
良くないですね。心が荒んで来ました。
とりあえず、アニエスの目的は分かり切っています。彼女の最終目標は、故郷を焼いた者達への復讐でしょう。そうなると必然的に、高位メイジへの対策が必要になって来ます。そしてその切り札になりえる物を、アロンダイトに見たのでしょう。
そう。アニエスの目的は、十中八九アロンダイトの《魔法吸収》能力です。(原作では復讐を遂げてからデルフリンガーの魔法吸収能力を存在を知ったか、魔法吸収能力の存在を知らないと思われます)
正直に言えば、剣を打ってあげたい気持ちはあります。彼女は“貴族派と闘う同志”になってくれるはずですから。……だからと言って、素直に剣を打ってあげる理由にはなりません。私の心情はともかくドリュアス家では、剣の作成依頼は例外無く全て断っているのです。もし前例を作れば、希望者がドリュアス領に殺到して来るでしょう。それは避けたいです。
「断るしかないか……」
「ギル? アニエスの事?」
隣に居たカトレアが、私の呟きに反応しました。
「ええ。心情的には……ね」
私の呟きにカトレアは、短く二回頷きました。これだけで全て察してくれるのは嬉しいですね。
「無理に今決める必要はないと思うわ。彼女が“私達に見せる誠意”で決めても良いと思うけど」
「そう……ですね」
確かに即決出来ない問題なので、その方が良いかもしれません。
「ギルは、ドーンと構えてれば良いのよ」
「そうですね」
カトレアが断言する事により、私の迷いを断ち切ってくれました。少し楽になった様な気がします。
もしアニエスに剣を渡したとしても、多少のリスクはありますが誤魔化す方法等いくらでもあるのです。問題はアニエスの為に、私……ひいてはドリュアス家がそこまでするのか? ですね。アニエスにそこまでさせる物があるのか。じっくりと見極めさせてもらいましょう。
とりあえず、アニエスの事は一時保留です。ですが、これ以上の情報漏えいは不味いので、暫く鍛冶はお預けですね。
そしてやる事と言えば、剣の訓練以外にないのです。そしてアニエスを見定めるとなると、接触しない訳には行きません。そうなると必然的に……
「見事な物だね」
私の型練習がひと段落し、一息つこうとした所でアニエスが話しかけて来ました。
「ありがとうございます」
裏庭で訓練しているのですが、この場には私とアニエスしか居ません。ディーネ? アナスタシア? 今回は一緒じゃありませんよ。毎回一
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