暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
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ます」

 今は型の錬度を上げて、技を少しでも鋭くしたいのですが、アニエスと手合わせする機会は今後もあるとは限りません。彼女の実力を、肌で感じておくのも良いでしょう。

「ディーネ」

 近くで訓練して居たディーネを呼びます。

「なんですか?」

「ミス・ミラ「アニエスで良い」……アニエス殿と手合わせするので、審判をしてください」

「むっ……分かりました」

 少し不満そうな顔をしていますね。ディーネの誘いは断っていますから、それは仕方がないでしょう。

 自身の未熟を棚に上げる様ですが、ディーネは“恵まれた身体能力で相手を翻弄する”戦い方をします。それだけなら大した事は無いのですが、相手がその身体能力に対応しようとすると、それを逆手に取った立ち回りが出来るのが強みです。その剛柔そろった戦い方は、素晴らしいの一言に尽きます。

 そしてその戦い方に、私のイメージが引きづられてしまうのです。十分に調整が利く範囲ですが、その調整にもそれなりの時間がかかります。その時間を煩わしく感じ、ディーネとの手合わせを避ける様になったのです。

(芯となる自分の戦い方を見つけていれば、そんな事もないんだろうけどな)

 そんな事を考えながら、開始の位置に着きます。

「それでは行きますよ。……始め!!」

 ディーネの合図と同時に、アニエスが突っ込んで来た。私はそれをバックステップでかわす。このまま相手の様子を見るのも手だが、下手に守勢にまわれば相手を調子づかせてしまう。

 アニエスの二撃目に合わせ、右の剣を振った。剣と剣がぶつかり火花が飛ぶ。残念ながらアニエスは、腕力・体重共に私よりも上だ。剣の軌道を僅かに逸らすのがやっとだった。しかし、それで十分。本来の斬撃の通り道に体をねじ込み、左の剣を振る。狙うは……首。

「!?」

 アニエスは、大きく身をのけ反らせて私の斬撃をかわすと、そのまま大きく後ろに跳んで私から距離を取る。

「危ない危ない。殺す気か? 刃引きした剣でも死ぬぞ」

 台詞のわりに、少し嬉しそうな声だ。先程の首を狙った斬撃は、ハーフスピードで放たれていた。だから、少しなら軌道を変える余裕があるし寸止めも可能だった。そうでなければ、しゃがんでかわされ、次いで切り上げられ勝負ありだ。

「流石に後の先の戦いは得意と言う訳か」

「ええ。メイジですから」

 通常メイジは、遠距離からの魔法が主力となる。そうなると、如何しても接近戦が疎かになるのだ。当然メイジ殺しは、その弱点を突く事で勝利する。その弱点をカバーするのが、杖剣であり剣術だ。そう言った理由から、メイジの剣術は迎撃に比重が傾くのは当然だろう。

「なら、これは如何だ?」

 再びアニエスが踏み込んで来るが、先
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