暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第54話 入学準備もトラブル続き 後編
[2/21]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
緒に訓練していると、やる気がうせて凹むだけですから。私が兄弟(ジョゼット除外)で最弱なんて苛めですか? そんな事を考えていると、アニエスが更に突っ込んだ事を聞いて来ます。

「見慣れない型だったが、素晴らしい動きだった。誰に剣を習ったのだ?」

「マギと言う人です(ちょっとセリカ様に申し訳ないですね)」

「聞いた事が無いな」

「ロバ・アル・カリイエの人らしいですよ。昔ドリュアス家に滞在していた事があって、その時に一通り習いました。飛燕剣と言うらしいです」

「飛燕剣か。やはり聞いた事が無いな。動きを見る限り、全くの無名と言う事もないと思うのだが……」

 何か一人で、ブツブツと言い始めました。今は放っておいた方が良さそうです。と言う訳で、私は型練習の続きを行う事にしました。先ずは、飛燕剣の基本となる身妖舞からやって行きます。

 アニエスから距離を取ると、基本となる身妖舞(しんようぶ)の動きをなぞります。足運び・腰の溜・腕の振りを上手く連動させる事により、相手に痛烈な連撃を叩きこむ飛燕剣の基本中の基本の型にして技です。動きが“妖しいまでに美しい”と言われた事から、この系統は《飛燕剣 妖》と呼ばれる事なったそうです。

 次に放つのが、少し毛色が違う型で殲綱斬(せんこうざん)です。その特徴は基本である身妖舞とは真逆で、足運び・腰の溜・腕の振りを連撃では無く、一撃に全て集約させます。こちらは《飛燕剣 斬》と呼ばれています。

 最後が複数の敵との戦闘を想定した円舞剣(えんぶけん)です。飛燕剣独特の足運びを極限まで煮詰めて、敵の攻撃を避け有利な位置を確保するためのステップに、無理なく斬撃を組み込む為の型です。さながら戦場で円舞(ワルツ)を踊って居る様に見える事から、《飛燕剣 円舞》と呼ばれています。

 この妖・斬・円舞の三つを、巧みに組み合わせ使い分ける事により無類の強さを発揮するのが飛燕剣です。

 今はこれらの錬度を上げる為に、ひたすら繰り返すのみ……なのですが。

「そんなに見られると、気になるのですが……」

 集中力を乱されるから、と言うのも理由なのですが、その満面の笑みが怖い。

「気にするな」

 気になるから言っているのですがね。口から出かかった言葉を飲み込み、訓練を続けます。

 ……

 …………

 アニエスの事を頭から追い出し、無心で剣を振るっている内に今日のメニューを消化していました。無心と言っても、何も考えなかった訳ではありません。

 一回型をなぞる度に、改良点を抽出し解決案を模索。次の型でそれを実行し再び評価する。解決したら、更に問題点を洗い出し解決する。そしてまた改良点を……。それをひたすら繰り返すだけだ。さながらそれは、剣と対話しているかの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ