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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter30「師の想い、弟子の焦り」
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能なんかじゃない事をティアナは証明したいんだ」
「流石お師匠さん。アイツの事よくわかってるじゃないか」
「全てわかってる訳じゃない……でも、アイツの気持ちを少しは共有する事はできる」
手にある酒を一気に飲み干す。
「俺はよぉ、アイツは十分優秀だと思ってるぜ。けど、肝心なティアナが妙に自分を卑屈してる。それで何か大切な事を今、見失いかけてるじゃないか?」
「それは何なんだ?」
「そこまでは俺もわからねーよ。でもよ……」
手に持つ空になった空缶を数メートル先のゴミ箱に投げ入れる。
だが空缶は惜しくもゴミ箱の縁にあたり、中には入らなかった。
舌打ちをしながらヴァイスは外れた空缶を捨てなおしに動き始める。
「誰だって後悔したくないだろう……テメーの力が及ばなくて、大事なもん失うのは身を削られるような痛みだからな」
「……そうだな」
ヴァイスの指す痛みはルドガー自身がよく一番わかる。
大切なものを守るには、他の何かを犠牲にしなけばならい。……時に自分さえも。
「どこ行くんだよ?」
ベンチから立ち上がり、歩き出したルドガーをヴァイスが呼び止める。
「ティアナのところだ。何となくアイツ、無茶してるんじゃないかって思ったんだ」
「……へぇ…よくわかったな」
「どういうことだ?」
「ティアナの奴は、この奥林ん中で、1人自主練してるぜ」
言われた林を見る。言われて気付いたが、林の奥から人の気配を感じられる。
口にはしないが、何故ティアナを止めなかったとヴァイスを軽く睨む。
「言っとくが俺は止めたぞ?だがありゃ、人の話しを素直に聞くとは思えねーぞ?」
「はぁ……とりあえず、情報提供感謝」
酔い醒まし用に持ってきた水の入ったペットボトルだけ持ち、残りの酒は全てヴァイスに譲り、林の奥へとルドガーは消えていった。
「かぁ〜羨ましいぜ……曇りなんて1つもないアイツの目……ホント……」
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林の奥を暫く歩いていると、小規模の広場を見つける。その中心では両膝に手を着け、息切れしているティアナが立っている。
「よう、休暇か?」
「!ルドガーさん……」
ルドガーに話し掛けられ、彼が近くにいた事に始めて気付く。
ティアナの前まで行き、手を掴み水の入ったペットボトルを持たせる。
「飲めよ。どうぜ飯も食ってないんだろ?後で軽く軽食作ってやるから今はそれで我慢しろよ」
「……ありがとうございます」
渡された水を口に流し、飲む。
「うっ、ゲホッ!」
「お、おい……そんなに慌て飲むからだ」
ヤレヤレと思いながらもティアナの背中を擦る。
だがティアナは大丈夫
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