第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第68話:怒らせる・笑わせる・泣かせる……何が目的?
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(スタンシアラ)
マリーSIDE
やはり持つべきものは非常識な親だね。
いい加減並ぶのにも飽きてきた所で、まさかのジャンピングチャンス!
パノンの居ない現状は抱腹絶倒なんてムリだから、さっさとファーストチャレンジ失敗して、待望の芸人を迎えに行きたいのだ!
不貞不貞しい態度のパパを先頭に、皆様の痛い視線を浴びながら王様の前へ馳せ参じちゃう私達。
もう雰囲気からしてお笑いをやる状況じゃないわぁ(笑)
失敗前提じゃ無かったら、絶望的な気持ちになってたわね。
「ほらどうした……余の事を笑わせる為に皆への迷惑を無視して練習してたんだろ。今が成果を見せる時ぞ……早く初めんか!」
イラッとくる王様のお言葉……非常識な振る舞いをしたのは私達(正確にはパパとウルフ)だから下手にでるが、そうじゃなかったらイオナズンだ!
「偉そうに……」
しかし、マイパピーがボソッと何かを呟いた。
この場に居る皆さんが聞こえる様な声で呟いた。
出来れば誰にも聞こえない様な小声で呟いて欲しいが、皆さんが聞いちゃえる様な大声で呟いた!
「お前……今、何と言った……?」
「偉そうだってんだよ! お前が笑いたいって言うから、方々から人々が集まり珠玉のネタを披露してやってんだろ! それなのに何だ……その偉そうな態度は!? そんなに笑いたいのなら、そこら辺に居る部下に擽ってもらえばいいだろ!」
凄ーい……私のパパ凄ーい!
この世界でお父さんは王様じゃ無いのに、余所の国の王様相手に無礼千万な口調で文句たれちゃったよ!
殺到する兵士等への備えをして、逃げ出す準備を整える私達……すると、
「擽られて得る笑いに何の意味がある!? 余の求めている笑いはそんな事では無い!」
「そんな事は解ってるさ! アンタは今の混沌とする世界に明るい要素を欲してるんだろ? でもなぁ、その為に出した御触れが『王様を笑わせろ』ってのは、やはり求めている笑いとは違うんだぞ!」
何やら意味深な事を良い王様の動揺を誘うパパ。
「キ、キサマの様な非常識な男に……余の求めるモノが解ると言うのか!?」
「解るさ……アンタは自分にではなく、人々に笑顔を取り戻したくてこんな御触れを出したのだろう? こうする事で世界中から“笑い”を携えた人達が集まり、この国の人々を笑わせてくれる……例え世界が混沌としてても、笑いを取り戻せるのではと思い、こんな馬鹿な御触れを出したのだろ?」
あれあれ?
本来はパノンが言うはずの科白を、私のパパが言い出しちゃったゾ!?
良いんだって、そんな事を言わなくても……『おもしろくない。出直して参れ!』って言われて、他力本願全開でパノンを尋ねれば、全てが解決する事になってるんだって!
「アンタが本当に人々の笑顔を求めてるのであれば、天空の兜を
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