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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter29「拭えぬ過去」
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リートだな」

なのはの言葉に、ヴィータは腕を組みながら話す。ルドガーにはまだ管理局員の階級の価値がはっきりわからないが、ヴィータの反応を見て、ティーダがそれなりに優秀な管理局員だった事は理解する。

「そう……エリートだったから、なんだよね。ティーダ一等空尉がなくなった時の任務……逃走中の違法魔導師に、手傷は追わせたんだけど……取り逃がしちゃってね」

「まあ、地上の陸士部隊に協力を仰いだおかげで、犯人はその日のうちに取り押さえられたそうなんだけど……」

フェイトがゆっくりと話し、なのはがそれに続ける。

「その件についてね。心ない上司がちょっと酷いコメントをして、一時期、問題になったの」

話しにくい……悲しそうに話すフェイト。

「コメント?どんな内容なんだ?」

「……犯人を追い詰めながらも逃がすなんて、首都航空隊の魔導師としてあるまじき、失態で、たとえ死んでも取り押さえるべきだった……」

「っ!」

はやてが口にした言葉が、ティーダの上司のコメントだと直ぐにわかった。
とてもだが心ある人間の言葉だとは思えない。

「もっと直球に言うと、任務を失敗するような役立たずは死んだ方が管理局の為だ……って言うところや」

「なんて…事を……!」

拳を強く握りしめる。顔もわからないティアナの兄を侮辱した上官に対し、ルドガーは激しい憤りを覚えていた。

「ティアナはその時まだ10歳で、大事なただ一人の肉親を亡くした……それもお兄さんの最後の仕事が無意味で、役立たずと言われた事で、ティアナは物凄く傷ついたはずや……」

家族を失う悲しみはこの場にいる者は誰よりも知っている。中でもルドガーはティアナと同じく兄を失っている。だがルドガーは自分はティアナと同じ境遇だとは思ってなどいない。

失い方が違うからだ。
それに大切な者を失う悲しみは大小ありはしないのだから。

「俺、ティアナの気持ち…少しわかる。……もし兄さんが同じように侮辱されたら、許せないし、そいつを殺したくて仕方ない……きっと」

ティアナも自分の兄を侮辱した人間を許せないはずだ。

(もしティアナのあの行動が、兄の意志を継ぐ事から来ているのだとしたら……)

ルドガーもティアナの助けになりたい。
彼女の夢を叶える為の手伝いをしたい。
だが今のティアナは、兄の事を考えるあまり、行きすぎた行動が見えはじめている。
もし自分が選択を見誤り、間違った方に導けば、ティアナは本当に自分自身すら見失うことになる。

「……大丈夫……きっと大丈夫だよ」

そんなルドガーの心を読んだかのように、なのはは微笑みながら話す。

「ティアナはちゃんとわかってくれた……今はまだ今日のことで混乱してるかもしれないけど、私はど
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