TURN87 再編成の合間その八
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だが手は打てない状況だった、それで今言うのだった。
「どうしたものでしょうか」
「ひょっとしたらね」
エルザはここまで話を聞いてそのうえでこう言おうとした。
エイリスの衰退、そして役割の終了を。だがそれはだった。
「いえ、私が言ったら駄目ね。先代の女王が」
「?お母様何が」
「いえ、何もないわ」
娘にもそのことは言わなかった。
「だからね」
「そうですか」
「ええ、気にしないで」
「わかりました」
セーラも妙に思うが頷いた、そうした話をしてだった。
この場は終わった、だがセーラはこの会議の後でだった。
イギリス兄妹と共に紅茶を飲みながらこう言ったのである。
「この紅茶も」
「紅茶も?」
「といいますと」
「誰もが飲めることが理想ですね」
「植民地でもか」
「そこでも誰でもですね」
「紅茶だけではありません」
エイリスでは紅茶とくればだった。
見れば三人の座るテーブルの中央に三段のティーセットがある、セーラはその豪華なセットを見てそのうえで言うのだ。
「このティーセットも」
「クッキーにエクレア、ケーキにか」
イギリスも言う。今回のティーセットはこれだった。
「それにフルーツも」
「はい、この苺も」
「今は餓えはないけれどな」
搾取の激しい植民地でもだ、銀河の時代ではそこまではない。
だがそれでもだ、ここまでのティーセットになると。
「ないからな」
「エイリス本国ならともかく」
「ベトナムとかじゃなかったな」
これが現実だった。
「適当なもの食ってたな、フェムとかは」
「そうですね」
「ここまで贅沢になるとな」
イギリスは最高級の蜂蜜をたっぷりとかけたこのうえなく甘いクッキーを食べて言う、そのクッキーの小麦粉と砂糖も最上級のものだ。
「流石にな」
「ないですね」
「それが現実なんだよな」
イギリスは難しい顔で言う。
「同じメニューのティーセットでもな」
「素材が違いますね」
「全然な」
「植民地だとまずうちの貴族が全部いいもの獲るんだよ」
まさに獲る、なのだ。
「それで残りの雑多な素材が現地民のものになるんだよ」
「そうなのですね」
「だからソビエトに叩かれてな」
ソビエトだけではなかった、このことを批判しているのは。
「ガメリカに中帝国もな」
「あの両国は同盟国でしたが」
ここでイギリス妹が言う。
「植民地政策は反対していましたので」
「連中の考える経済圏の為にな」
イギリスはティーカップを手に忌々しげに述べた。
「日本が植民地を手に入れて独立させると即座に認めてたからな」
「あれでは敵も同然でした」
イギリス妹もそうみなしていた。
「まさに」
「実際に今敵同士になったな」
「我が国の植民
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