3部分:第三章
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悪党というのは厄介なものでしてね」
カードを掲げてまた言う。
「大抵は因果応報で死んでしまうのですがそうした輩に限って逆恨みをしてこうした悪霊になり果ててしまうのですよ」
「迷惑ですね、本当に」
「そうした仕事をすることも多いのですよ」
襲い掛かって来た悪霊の一人にタロットカードを投げた。手裏剣のように切り裂いたそれで悪霊を消し去ってしまった。
「そちらの方もね」
「そうなのですか」
「ですからお任せ下さい。ですが」
「ですが!?」
「数は尋常ではありませんね」
見れば周囲に無数の悪霊達が漂っていた。その中には元木の姿もあった。
「彼ですね」
速水は一際大きな悪霊を見て言った。見れば悪相をした醜い悪霊が二人の上に漂っていた。
「元木、また出て来たのか」
警部は彼の姿を見て呻く。苦い顔で苦い声を出してだ。
「どうしてまた」
「生きたまま心臓を出されたのが相当苦しかったのでしょう」
「あれですか」
「はい、御覧下さい」
警部に対して言う。
「他の悪霊達も。姿が時々変わりますね」
「えっ!?」
それを言われて悪霊達に目をこらす。今までは恐怖であまり確かに見てはいなかったがその通りだった。普通の姿と惨殺された最期の姿の二つが交互に現われていた。それは実に奇怪な姿であった。
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