マスター現る!
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に行くつもりだぜ」
「これだからガキはよォ・・・」
「んな事したって、マカオの自尊心が傷つくだけなのに」
そんな言葉を聞いて、マスターはキセルをかぷっと噛んで笑う。
「進むべき道は誰が決める事でもねぇ。放っておけぃ」
それをバーカウンターに座って見ていたルーシィはミラに訊ねるように呟く。
「ど・・・どうしちゃったの?あの2人、急に・・・」
「ナツもルーも、ロメオ君と同じだからね」
「自分と重ねちまったんだろ」
「アルカンジュさん」
「アルカでいいって」
そこにアルカがやってきて、ルーシィの隣に腰掛ける。
アルカにミラは黙って酒の入ったグラスを差し出す。
まだアルカは何も注文していない。会話無しで意思の疎通が出来るという事だろう。
「ナツのお父さんも出て行ったっきりまだ帰ってこないのよ。お父さん・・・って言っても、育ての親なんだけどね。しかもドラゴン」
予想外すぎる言葉にルーシィは文字通りひっくり返る。
「ドラゴン!?ナツってドラゴンに育てられたの!?そんなの信じられる訳・・・」
「ね。小さい時そのドラゴンに森で拾われて、言葉や文化や・・・魔法なんかを教えてもらったんだって」
「だがある日、そのドラゴン・・・火竜イグニールはナツの前から姿を消した。何の前触れもなく、突然に」
「そっか・・・それがイグニール・・・」
「そっ。ナツはいつかイグニールに会える日を楽しみにしてるんだ」
「そーゆートコが可愛いのよねぇ」
「あはは・・・じゃあ、ルーも誰かの帰りを待ってるんですか?帰って来てない人がいるとか?」
ルーシィが何気なく尋ねる。
その質問に、明らかにミラとアルカの顔は曇った。
2人は目線を合わせ、アルカが口を開く。
「ルーは・・・10年前に両親が殺されてんだ」
これまた予想外の言葉に、今度は驚く事も出来ない。
「え?でもそんな風には・・・」
「見えないでしょ?」
「そこがルーの凄いトコなんだよな。どんなに辛い事があってもあの呑気キャラは崩さねぇ」
ルーシィの脳裏にルーが浮かぶ。
まだ会ってそんなに経っていないが、あのルーにそんな過去があるようには見えないし、思えなかった。
「でも、誰が・・・」
「それは知らねぇんだ。アイツ、その話になると上手くはぐらかしちまうし」
「そうなの・・・あ、でも『ティア』は知ってると思うわ」
ルーシィは首を傾げた。
「なんかさっきから『ティア』って名前が出てきますけど・・・何者なんですか?」
「妖精の尻尾最強の女問題児さ」
「ルーはお姉ちゃんみたいにティアを慕ってるの」
「問題児・・・」
ルーシィのイメージは、さっきのマスター並みの大きさの巨人だった。
そんなデカい
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