マスター現る!
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導士の問題より、3人の問題の方が多いのだ。
たった3人であれだけの量の文書・・・とルーシィは呆れる。
「まずはルー!」
「ほへ?」
「貴様は森へ魔物退治に行き、森を2つ吹き飛ばす!挙句の果てに近くの村を壊滅させ、辺り一面を更地にする!他13件」
「てへっ」
「てへっ、で済む問題ではない!」
続いてマスターの目線はアルカンジュ・・・アルカに向けられる。
アルカもルーと同じように名前が長いため、アルカの愛称で呼ばれているのだ。
「続いてアルカ!」
「ん?」
「貴様は指名手配中の違法研究をしている科学者の秘密基地ごと炎上させ、ルー同様辺りを更地にする!しかも仕事から帰ってくる途中に別の指名手配犯を見つけ、逮捕したはいいが炎を撒き散らしすぎて街ごと炎上させる!他23件」
「いいじゃん。面白いし」
「よくないわいっ!」
思わずマスターがツッコむ。
そして最後に今日の中で1番大きいため息をつき、文書を読み始めた。
「そしてティア・・・盗賊団員半殺し、違法魔法教団員半殺し、評議会直々闇ギルド潰しでは闇ギルドがあった隣国の街を3つほど壊滅させ、しかも半殺し!挙句の果てにティアに惚れプロポーズしてきた隣国の王子を民衆が見ている前で、得意の冷淡機関銃攻撃でプロポーズを断る!隣国から王子のプライドが傷ついたと損害賠償が請求されておる・・・他75件」
「さっすがティア!」
「相変わらずのヤローだな。面白れぇ」
「笑っとる場合ではない!」
そりゃ、他に75件もあるようじゃ笑ってなどいられないだろう。
「貴様らァ・・・ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞォ・・・」
プルプルと震えるマスターを見て、あの空気クラッシャールーでさえ気まずそうな顔をする。
その様子を見たルーシィはビクッと震えた。
「だが・・・」
ゆっくりとマスターが口を開く。
「評議員などクソくらえじゃ」
そう言って2つの文書を燃やして放り投げ、それをフリスビーを投げられた犬のようにナツが口にくわえる。
「良いか。理を超える力はすべて理より生まれる。魔法は奇跡の力なんかではない。我々の内にある『気』と自然界に流れる『気』の波長が合わさり、初めて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う。いや、己が魂全てを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上から覗いてる目ん玉気にしてたら魔道は進めん。評議員のバカ共を怖れるな」
そう語りながら、マスターはにんっと笑う。
「自分の信じた道を進めェい!それが妖精の尻尾の魔導士じゃ!」
『オォォォォォオオオオオオッ!』
マスターの言葉に全員が声を上げ、先ほどまで喧嘩をしていたのが嘘のように笑い合った。
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