暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四一幕 「子連れ狼」
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な」
「え、出ないんですか?」
「織斑先生から待ったがかかってな・・・「アマチュアの大会にプロが出ては公平性が保てない」だそうだ」
「・・・・・・・・・笑えませんね」

アンノウン事件と今日の模擬戦をありありと思い出す。もしジョウがトーナメントに参加したら対戦相手は絶望的な実力差に心が折れる事間違いなしだろう。つくづくオーバースペックな人である。

(それにしても“ユウも何かやってる”って言ってたな・・・果たして次は何をやる気なんだろう?)
「まぁそれはそれとして、篠ノ之には事情説明しとけよ?」
「あ、はい!それじゃ失礼します」

一夏を見送ったジョウはベッドに寝転がり、天井を見上げながら思考する。

一夏には暇だから鍛えてやると言ったが、実際にはそれは違う。

――― 一夏君を鍛えてあげてくれないかな?多分必要になるから・・・

友人からそう言って元々頼まれていた事である。何でももうすぐ一夏に越えるべき試練が訪れるのだそうだ。それを乗り切れるように面倒を見てやってくれと言われ、承諾した。一夏とは知らない仲でもないし、磨けば光る所も多々あるだろうから別に苦には思わない。むしろその方が色々と面白いとさえ思っている。
だが他に思う所が全くない訳ではない。
詳しい事情をあいつは話さない。一方的に連絡を寄越す事が殆どだ。だが俺から訳を訊きはしない。事情を聴かずに動いてやる程度の信頼関係であるから。

「でも、その内ちゃーんと訳を話せよな、水津花」

“5年前のあの一件”以来、あいつは以前にも増して必死に何かを為そうとしている。それがこの世界にとって益となるのか、それとも逆の結果をもたらすのかをジョウは知らない。それと一夏に何の関係があるのかも知らない。だがジョウのカンが、これは必要な事だと告げていた。第六感は友達だ。そして彼も友達だ。だから全面的に同意せずとも手や耳くらいはいつでも貸す。
友人の顔を思い浮かべながら、ジョウは静かに目を閉じた。

・・・そしてそのまま爆睡してしまい、その姿に呆れた弟に毛布を掛けてもらったかどうかは定かではない。

「んご〜〜〜・・・」
「んもう、兄さんったらお腹出して寝て!いくら天才だからってお腹冷やして寝ても平気とは限らないんだからね?」

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