暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第四一幕 「子連れ狼」
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るほど加速度的にエネルギー消費が多くなる、一発逆転狙いの最後の切り札なのだ。その切り札をあっさり晒した挙句、あと少しでエネルギー切れを起こして負けるところだった。
このままではいけない・・・いけないのだが・・・如何せん白式にはこれ以上引き出しが無かった。元々寄って斬るしか能のない上に後付装備を付けることが出来ないこのISでは、どうあがいても剣でねじ伏せる以外に取れる戦法がない。

剣の稽古以外にも何か考えなければいけないが、どうしようか。姉に助言を乞うという手もあるが、正直身内頼みはしたくない。かといって他に助言をくれそうで尚且つ腕の立つ人となると・・・と、そこで一夏はある人物に思い至った。

「・・・・・・いた!一人だけいた!あの人なら力を貸してくれるかも・・・!」




「・・・という訳で俺の下に来たと」
「はい!」

一夏が足を踏み入れたのはジョウとユウの住む隣部屋、学生棟1026号室。相談相手は言わずもがな残間兄ことジョウである。部屋の中はきちんと整頓されており、隅に積み重ねてある筋トレグッズ類を除けば普通の部屋だ。ちなみにユウはどうやら今はいないようだった。

「まぁ確かに行き詰まるのも無理はないな。白式はどう低く見積もっても“今のお前”に扱いきれる機体じゃない」
「うぐっ」

遠回しに「未熟者」と言われている事を自覚し呻く。だがそれでも今の一夏に思いつくのは助言を求めるくらいしかなかった。ジョウは少し考えるそぶりを見せ、一人で何やら考えながら口を開く。

「・・・ユウも嬢ちゃんや鈴と何かやってるみたいだし、公平性を保つために俺がこっち側についてもいいか・・・よし!明日から俺がちょっとばかし鍛えてやるよ!それでいいか?」
「ほっ・・・本当ですか!?あざーっす!!」

十中八九「自力で頑張らんか戯け」という返事が返ってくると思っていただけにその答えは意外だった。だがこれで終わりではない。何せジョウさんは戦いが絡むとおふざけは一切なしだ。確実にジョウ主導の特訓は今まで以上にきついものになるだろう。そう考えてすぐに(かぶり)を振り、自分の頬を両手で軽く張る。

(ここで弱音を吐いちゃ今度こそユウに負けちまうぞ!あいつは毎日ジョウさんと組手してるんだからな・・・)

自分も確かに二人の組手に参加することはあった。だがその時はユウと二人掛かりで代わりばんこにジョウを攻める形式だったからこそついていけた。それを普段のユウは一人でこなしているのだ。体にかかる負担、必要な判断力、取れる戦法の幅・・・2人がかりとは比べ物にならないほど厳しいはずだ。
改めて気を引き締める一夏にジョウは軽く欠伸をしながらジェスチャーで「気にするな」と手を振る。

「偶にはいいだろ。どうせ俺はトーナメントに出れないから暇だし
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