第12話 今度は三人仲良く、だそうですよ?
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間からは、其処に強烈な違和感を覚える事は間違いなし、の雰囲気なのだが……。
その新たに現れた革手袋の青年からの問い掛けに対して、彼に相応しい嗤いを浮かべたまま首肯いて答えるバンダナの青年。
そして、リューヴェルトを振り返り、
「それでは、色々と御引止めして申し訳ありませんでした」
……と、相変わらず誠意をまったく感じさせる事のない口調及び表情でそう告げて来た瞬間――
「空間転移。後から現れた青年の能力が、おそらく移動能力だと思います」
それまで、黙って自らの夫にして契約相手のリューヴェルトと、バンダナの青年のやり取りを見つめるだけで有ったシルフリードがそう話し掛けて来た。
確かに、目の前に居た二人が急に消えて仕舞った瞬間、何らかの魔法が行使された際の、世界に与える歪みを感じられた以上、それは間違いない。
そして、彼女の台詞が発せられた正にその瞬間、自らの身長よりも高い位置。大体、三メートルほど上空の何もない空間から突如現れた縄が、物理法則を無視した形でゆっくりと下降を始め、そして、リューヴェルトの手の中に納まった。
これは、最初にギアスロールが現れた際と同じ現象。ならば、この手の中に納まった黒い縄がギフトゲームに勝利した際に得られるギフトと言う事。
その空中から現れた黒い縄を、自らのギフトカードに納めて見るリューヴェルト。これで、この縄の正体。少なくとも名前ぐらいは判るはずですから。
まして、李伯陽。つまり、太上老君と言う名前の仙人が関わって居るギフトゲームで有る以上、この縄の正体も何らかの宝貝で有る事は想像に難くない。
手の中から消え、カードに納められる黒い縄。そして、カードに現れる『捕仙縄』の文字。
これは、おそらく仙人を捕らえる縄。ただ、捕らえると言っても、自らの手で捕らえた相手に縄を打つのなら、何の魔法も込められていない普通の縄でも出来るので、この縄は、おそらく自動的に相手を追い掛けて捕縛して仕舞う縄だと言う事。
確か、似たような宝貝が、何かの物語の中に登場していたはずですし、宝貝以外でも似たような効果を発揮する魔法のアイテムが登場する伝承は多く存在して居ます。
これにて、今回のギフトゲームも無事に終了。それならば、
これで、この龍穴に留まる理由もなくなった。後は……。
「最後に彼女たち。美月やハクと名乗った少女たちに挨拶をしてから、わたし達のコミュニティに帰りましょうか」
☆★☆★☆
広い浴室……。流石に、このコミュニティのリーダーを務めて来た家柄の邸宅だと言う雰囲気の浴室内は、この世界にハクがやって来た日から毎晩のようにお風呂の用意が為されている。
先に浴室に浸かり、洗い場で自らの長い烏の濡れ羽色の髪の毛と格闘中の少
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