第二十二話 俺にも矜持という物が有る
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令官、グリューネマン少将、シュラー准将、ディッタースドルフ准将を分艦隊司令官として配属させた。
ケンプ艦隊にはアルトリンゲン少将を副司令官、ヴァーゲンザイル少将、マイフォーハー准将、ゾンネンフェルス准将が分艦隊司令官だ。そしてケスラー、ケンプを引き抜いたレンネンカンプ、ミッターマイヤー艦隊にはカルナップ准将、ザウケン准将、バイエルライン准将、ドロイゼン准将を補充した。まあまあだろう。
視線が鬱陶しいな。新無憂宮の廊下を歩く俺を皆が見ている。こうもじろじろ見られると休息を取り辛い。うんざりしていると正面から大柄な男が近づいてきた。背後には何人かの御供をつれている。
「おお、ヴァレンシュタイン上級大将。久しぶりだな、もう体の具合は良いのかな」
「見ての通り、杖を突きながらであれば歩く事が出来るようになりました。もっとも長い距離を歩くのは少々堪えます。ここへの呼び出しは出来れば遠慮したいものです」
俺の答えに大柄な男、ブラウンシュバイク公は痛ましそうな表情を見せた。周囲の視線が益々強まったな。皆興味津々か、好い気なもんだ。
「それにしてもカストロプの反乱の鎮圧は見事なものだ。まさに当代無双の名将だな、頼もしい事だ」
「有難うございます」
「卿なら反乱軍に奪われたイゼルローン要塞の奪回も容易いのではないかな」
「……」
唆す様な口調だ、思わず苦笑が漏れた。
「何が可笑しいのかな、ヴァレンシュタイン総参謀長」
「いえ、貴族の方々は人を唆す、失礼、人をその気にさせるのが上手だと思ったのです。これまで何人がその気にさせられたか……、そして失敗したか……」
「……」
ブラウンシュバイク公の表情が強張った。後ろの御供達もだ。思い当たるフシは幾らでもあるだろう。
「国務尚書閣下を待たせておりますのでこれにて失礼いたします」
「おお、そうか。気を付けて行くがよい」
「お気遣い有難うございます、公爵閣下」
「うむ」
ブラウンシュバイク公を置いて先を急いだ。背中に視線を感じる、何時かまとめて皆片付けてやるさ。何時かな……。
国務尚書の執務室に行くとリヒテンラーデ侯の他にも人がいた。ノイケルン宮内尚書だ、俺が執務室に入っても迷惑がるそぶりも帰る様子も無い。先客というわけではないらしい、俺を待っていたようだが一体何だ?
「済まぬの、ヴァレンシュタイン総参謀長。どうしても卿に来てもらわなければならぬ事が有った」
「……」
俺が無言で一礼すると国務尚書がノイケルン宮内尚書に視線を向けた。
「ヴァレンシュタイン総参謀長、今回の反乱鎮圧、まことに見事ですな、陛下も御喜びであられます」
「恐れ入ります」
ニコニコしながら言われても全然嬉しくない。こいつらの笑顔くらい信用できないものは無いのだ。
「近年、総参謀長の
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