24部分:第二十四章
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ら問題はありませんね」
速水もその言葉に応えて頷く。そうして放っているカード達から入って来る街を見る。やはりそこには何も見当たりはしなかった。
「私の方も今のところは」
「何もないのね」
「はい。どうやら昨夜はあのまま帰られたようです」
そう沙耶香に答える。
「全てを見ているわけではありませんが。今のところは」
「ではどうしようかしら」
そこまで聞いて速水に問うてきた。
「これからは」
「とりあえずは向こう待ちですね」
速水もそれに応えて言う。
「何もかもが」
「そう。それなら」
そこまで聞いてまた言ってきた。
「このまま何処かで遊びたいものね」
「女の子ですか?それとも私と」
「生憎だけれどどちらでもないの」
口元だけにうっすらと笑みを浮かべて応えてきた。
「昨日の夜で満足したから」
「やれやれ。それではどうなさるのですか?」
「そうね。雪の中を歩くのもいいけれど」
雪の札幌はそれだけで美しいものがある。白い街並みはなるで幻想の中にある都市である。殺風景な街も白い雪があるだけで幻想的なものに変わってしまう。それが今の札幌であった。
「ここは」
「飲みますか?」
「あら」
しかし沙耶香は速水の今の言葉に口元の笑みをそのままに顔を向けてきた。
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