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皇太子殿下はご機嫌ななめ
第14話 「シスターToブラザー」
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 ラインハルト様は一言。

「いっしょににげよう」

 と叫んで、飛び起きました。
 冷や汗を掻いておられます。
 一緒に逃げよう?
 皇太子殿下とでしょうか?
 それともアンネローゼ様とでしょうか?
 どちらの事を仰っているのか、わたくしには分かりません。
 はあはあと息を荒げて、ラインハルト様が、こちらを見ました。

「……キルヒアイス」
「いかがなされましたか? 魘されておいででしたが」
「聞いて。キルヒアイス。あ、姉上が……姉上が、皇太子を襲う夢を見た」
「はあ?」

 皇太子殿下が、アンネローゼ様を襲うのではなく?
 アンネローゼ様が、皇太子殿下を襲う夢?

「本当なの。本当に見たの。姉上が皇太子に襲い掛かっていた」
「それは包丁とかを、持ってですか?」
「違う。……裸だった」

 はあ? そちら関係ですか?
 しかしながら、逆ではないのですか?
 はあ、確かにアンネローゼ様が襲っていたのですね。

「そうだ。そうなんだ。そして皇太子が助けを求めていた」

 ははあ〜。だから一緒に逃げよう、ですか……。
 あの皇太子殿下がねぇ〜。
 女性に襲い掛かられて、助けを求めますかねぇ〜。迎え撃ちそうですが?

「なぜ、この様な夢を見たのか……。分からない。分からないんだ」

 ラインハルト様が、両手で肩を抱き、頭を振っておられます。
 わたくしには、ラインハルト様のほうが、分からなくなってきました。
 アンネローゼ様。
 ジークはどうすれば、宜しいのでしょうか?
 本当に分からなくなってしまいました。
 ラインハルト様が、すがるような目を、していらっしゃいます。

「明日、皇太子殿下にお会いしに参りましょう」
「そ、そうだな。その方が良いな」

 ですから、どうしてそんなに、嬉しそうなのですか?
 ……やはり。
 アンネローゼ様。
 ジークは挫けそうです。
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