第14話 「シスターToブラザー」
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
。
ラインハルト様は一言。
「いっしょににげよう」
と叫んで、飛び起きました。
冷や汗を掻いておられます。
一緒に逃げよう?
皇太子殿下とでしょうか?
それともアンネローゼ様とでしょうか?
どちらの事を仰っているのか、わたくしには分かりません。
はあはあと息を荒げて、ラインハルト様が、こちらを見ました。
「……キルヒアイス」
「いかがなされましたか? 魘されておいででしたが」
「聞いて。キルヒアイス。あ、姉上が……姉上が、皇太子を襲う夢を見た」
「はあ?」
皇太子殿下が、アンネローゼ様を襲うのではなく?
アンネローゼ様が、皇太子殿下を襲う夢?
「本当なの。本当に見たの。姉上が皇太子に襲い掛かっていた」
「それは包丁とかを、持ってですか?」
「違う。……裸だった」
はあ? そちら関係ですか?
しかしながら、逆ではないのですか?
はあ、確かにアンネローゼ様が襲っていたのですね。
「そうだ。そうなんだ。そして皇太子が助けを求めていた」
ははあ〜。だから一緒に逃げよう、ですか……。
あの皇太子殿下がねぇ〜。
女性に襲い掛かられて、助けを求めますかねぇ〜。迎え撃ちそうですが?
「なぜ、この様な夢を見たのか……。分からない。分からないんだ」
ラインハルト様が、両手で肩を抱き、頭を振っておられます。
わたくしには、ラインハルト様のほうが、分からなくなってきました。
アンネローゼ様。
ジークはどうすれば、宜しいのでしょうか?
本当に分からなくなってしまいました。
ラインハルト様が、すがるような目を、していらっしゃいます。
「明日、皇太子殿下にお会いしに参りましょう」
「そ、そうだな。その方が良いな」
ですから、どうしてそんなに、嬉しそうなのですか?
……やはり。
アンネローゼ様。
ジークは挫けそうです。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ