第14話 「シスターToブラザー」
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下が戻り次第、協力を要請いたします」
「そうしてくれ。次の問題としては、オーベルシュタイン大佐」
「はい」
「卿にはしばらく内務省に出向してもらう。劣悪遺伝子排除法が廃法になったとはいえ、内務省の連中はいまだに意識改革が進んでいないようだ」
それは確かにわたしも感じる事だ。
一朝一夕にはいかない問題だが……。殿下が改めて口にするその意味はなんだ?
「俺としては近いうちに、同盟に囚われている兵達を帝国に戻すため、捕虜交換を持ちかけるつもりだ。ただなぁ〜いまの内務省では、戻ってきた帰還兵達を監視しかねんし。最悪、しょっぴいて尋問するかもしれんのだ。それは困る。そこで卿に監察官として監視してもらいたい」
なるほど。オーベルシュタイン大佐を、監察官として出向させるか。大佐なら連中の動きを見過ごす事などありえまい。そして内務省は、皇太子殿下からの警告として受け取るだろう。
「御意。謹んでお受けいたします」
オーベルシュタイン大佐は神妙な面持ちで返答を返す。
「ケスラー中佐には、戻ってきて早々、仕事を押し付けて悪いと思うが、俺の元に来たのが運のつきと諦めてもらおうか」
「いいえ、決してそのように思ってはおりません」
殿下も返答に困る物言いをされる。
ふと横目で大佐の様子を窺うと……。
オーベルシュタイン大佐が笑いを堪えている!!
少し見ないうちに、人間味が増したみたいだ。大佐がこのようになるとはな。驚きだ。
「話は以上だ。ああ、三百九十一年物のワインが後一本残っているから、事務局に持ってかえって、他の連中にも飲ませてやれ」
「はっ」
オーベルシュタイン大佐が受け取った。
うむ〜三百九十一年物か……他の連中の驚く顔が目に浮かぶ。
■幼年学校 ジークフリード。キルヒアイス■
「うう……。姉上、お止め下さい」
夜中にふと目を覚ますと、ラインハルト様が魘されていた。
うわ言のようにアンネローゼ様の事を口にされている。
皇太子殿下の後宮設置が発表されたのだ。
アンネローゼ様の事を思うと、魘されるもの致し方ない。
「……皇太子……こっちだ。はやく……いっしょにっ」
様子を窺っていると、どうもおかしい。
アンネローゼ様の心配をされているようでは……ないのか?
それにしても、ラインハルト様。
ここは宰相府ではありませんんし、皇太子殿下がいる訳でもないというのに。
なぜ、そのような格好をされているのですか?
あえて、なにがとは、申しませんが。
ラインハルト様は、お変わりになってしまわれた。
アンネローゼ様。
ジークは挫けそうです。
「ラインハルト様。起きてください。どうされましたか」
揺さぶって起こすと
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