序章
妖精の尻尾
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た。
「イグニール!」
人混みの中心に出たナツが叫ぶ。
その瞬間、ルーシィの目からハートがポトッと落ちた。
しばらくナツと火竜は見つめ合い、そして・・・。
「誰だオマエ」
短く言い放った。
その言葉にショックを受ける火竜。
後ろからやってきたルーもキョトンとしている。
「火竜といえば・・・解るかね?」
きりっと火竜が言うが、その時には・・・。
「はぁ〜」
「ニセモノかぁ・・・」
「はやっ!」
ナツとルーは残念そうに呟き、ハッピーはそんな2人の後をついて行っていた。
「ちょっと、アンタ失礼じゃない?」
「そうよ!火竜様はすっごい魔導士なのよ」
「謝りなさいよ」
「お、お、何だオマエら」
「引っ張らないでよ〜」
すぐに野次馬の女の子たちに引き摺り戻される。
「まぁまぁ、その辺にしておきたまえ。彼とて悪気があった訳じゃないんだからね」
「やさし〜」
「あ〜ん」
またメロメロになる女の子たちの中、ルーシィは1人、火竜を睨みつけていた。
火竜は色紙を取り出すと、ペンで何かを書き始める。
「僕のサインだ。友達に自慢するといい」
「キャー」
「いいな〜」
「いらん」
そう答えた瞬間。
「何なのよアンタ」
「どっか行きなさい!」
「うごっ」
女の子たちに、外に出されてしまった。
「仕方ない。じゃあ君にあげよう」
「え?」
サインを渡されたルーは、戸惑いながらも受け取る。
それをまじまじと見つめ、ため息をついた。
「どうかしたのかい?」
「こんなくだらないモノ、僕には必要ないと思っただけだよ。自称イケメンのおじさん」
「おじっ・・・」
「ティアだってこんなもの欲しくないだろうし。こんなもので喜べる女の子たちが羨ましいな」
「こ、こんなもの!?」
「ペンのインクと色紙の無駄遣いだよ。もっと有効活用すべきだ」
人懐っこい笑顔を浮かべてそう言い放つと、ルーはナツ達のもとへ走っていった。
「き、君たちの熱い視線には感謝するけど・・・僕はこの先の港に用があるんだ。失礼するよ」
パチン、と指を鳴らす。
その瞬間、炎の上に火竜が乗る。
「夜は船上パーティーをやるよ。皆参加してくれるよね」
その言葉に女の子たちは「はぁぁぁ〜ん」やら「もちろんですぅ〜」と甘い声を出す。
「なんだアイツは」
「自称イケメンのおじさんでしょ」
「本当いけすかないわよね」
座り込むナツとルーに、ルーシィが声を掛ける。
「さっきはありがとね」
身に覚えのない礼に、ナツは「
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