序章
妖精の尻尾
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「火竜様よーっ!」
どうやら火竜という魔導士が来ているらしい。
走っていく女の子の目は全員ハートだ。
「火竜!?あ、あの店じゃ買えない火の魔法を操るっていう・・・この街にいるの!?」
女の子の集団から「火竜様〜」やら「こっち向いてー」やら歓声が飛び交う。
「へぇ〜、凄い人気ねぇ・・・カッコいいのかしら」
一方その頃、ナツ達はというと。
「列車には2回も乗っちまうし」
「ナツ、乗り物弱いもんね」
「腹は減ったし・・・」
「ティアからお金貰ってくるの、忘れちゃったもんね」
よたよたと歩きながら呟くナツに、ハッピーとルーが返答する。
「なぁハッピー、ルー。火竜ってのはイグニールの事だよなぁ」
「うん。火の竜なんてイグニールしか思い当たらないよね」
「でも行く前、ティアは『そんなのが街中にいる訳ないでしょ』って言ってたよ」
「あいつぁ、若干捻くれてるからな・・・」
さっきからルーが言う「ティア」は、捻くれているらしい。
ティア、という言葉が出ただけで、ナツが若干顔をしかめる。
「でも僕はイグニールの事だと思うよ」
「だよな!やっと見つけた!ちょっと元気になってきたぞ!」
「あい」
その時、遠くから「キャー!火竜様〜!」という歓声が響く。
「ホラ!噂をすればなんたらって!」
「あい!」
「行ってみよう!」
それを聞いた3人・・・正確には2人と1匹は、一目散に駆けだしていった。
その頃ルーシィは、火竜を取り巻く女の子たちの中にいた。
(な、な、な・・・何?このドキドキは!?)
火竜を見て、頬を赤く染める。
心臓が先ほどからドキドキ言いっぱなしだ。
(ちょ、ちょっと・・・あたしってばどうしちゃったのよっ!)
周りの女の子たちも、ルーシィと同じような状況のようだ。
「ははっ、まいったな。これじゃ歩けないよ」
小さく笑みをこぼして、火竜が呟く。
チラ、と火竜の視線が、ルーシィに向けられる。
(はうぅ!)
ルーシィの胸がキュンと高鳴った。
(有名な魔導士だから?だからこんなにドキドキするの!?)
吐息を零しながら、ルーシィは胸に手を当てる。
「イグニール!イグニール!」
女の子の山をかき分け、ナツが火竜に向かっていく。
(これってもしかして、あたし・・・)
他の女の子同様目をハートにして、ルーシィがふらっと歩き出した、その時だっ
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