序章
妖精の尻尾
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もぐもぐ、がぶがぶとナツが炎を喰っていく。
ボラとルーシィはそんなナツを見て、言葉が出ないというように目を見開いた。
「ふー・・・ごちそう様でした」
そう言って口元を拭う。
「な、なな・・・何だコイツはーっ!?」
「火・・・!?」
「火を喰っただと!?」
「ナツに火は効かないよ」
「こんな魔法見た事ない!」
「じゃあ、あとは任せるよ。ナツ」
「おっしゃあ!食ったら力が湧いてきた!いっくぞぉぉぉぉぉぉっ!」
ナツが大きく息を吸い込む。
「こいつ・・・まさか・・・」
1人の男が思い出したように叫んだ。
「ボラさん!俺ァ、こいつ見た事あるぞ!」
「はぁ!?」
「桜色の髪に鱗みてぇなマフラー・・・間違いねぇ!こいつが、本物の・・・」
そこから先は誰も言えなかった。
ナツが口から噴き出した炎で、全員焼かれたのだ。
ルーシィ達にも火が飛んで来たが、ルーが自分の魔法でそれを跳ね返す。
「火竜・・・」
男の代わりに、ルーシィが呟いた。
「よーく覚えとけよ。これが妖精の尻尾の・・・魔導士だ!」
ナツは拳に炎を纏い、思いっきりボラに振り落とす。
「火を食べたり火で殴ったり・・・本当にコレ、魔法なの!?」
「竜の肺は焔を吹き、竜の鱗は焔を溶かし、竜の爪は焔を纏う。これは自らの体を竜の体質へと変換させる太古の魔法・・・」
「何それ!?」
「元々は竜迎撃用の魔法だからね」
「・・・あらま」
「滅竜魔法!イグニールがナツに教えたんだ」
「竜が竜を倒すための魔法を教えるって変な話だけどね」
ルーが肩を竦めて言ったと同時に、ナツが足に炎を纏って外に飛び出す。
「滅竜魔法・・・」
ナツはまだ暴れる。
その様子は竜そのもの、荒れ狂う竜の様だった。
「すごい・・・すごい、けど・・・」
ルーシィの体が、さっきとは違う意味で震える。
「やりすぎよォォォッ!」
そう。
ナツのお蔭かナツのせいか、港は半壊状態。
船は見事に壊れていた。
「あい」
「『あい』じゃないっ!」
「てへっ」
「『てへっ』でもない!」
ボラも血を流して倒れている。
だがナツのスイッチはオンのままなようで、容赦なく敵を殲滅していた。
「こ、この騒ぎは何事かねーっ!」
「軍隊!・・・!」
遠くから大勢の軍隊がやってくる。
それを見たナツはルーシィの右腕を掴んで走り出し、その後をルーとハッピーが続く。
「やべ!逃げんぞ!」
「なんであたしまでー!?」
「だって妖精の尻尾入りてんだろ?」
「っ・・・!」
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