序章
妖精の尻尾
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聞いて」
「何よ、こんな時に!」
「変身解けた」
「くそネコー!」
ルーシィの叫びを残し、2人は海に落ちていった。
「やったか!?」
それを撃ち落としたと勘違いしている男が呟く。
船の中では、酔いと戦いながら、ナツが小さく呟いた。
「フェア・・・リィ・・・」
「あ?」
「・・・テイル・・・おま・・・え・・・が・・・」
「あー、解らないよね。『お前がフェアリーテイルか』って言いたいみたい」
そしてルーは呑気だった。
一方その頃海に落ちたルーシィは、運よく浅瀬に引っかかっていた鍵を見つけ、束の中から1本取り出す。
そしてその1本を、海に刺した。
「開け!宝瓶宮の扉!アクエリアス!」
キンコーン、という鐘の音が1つ響き、魔法陣から水瓶を持った人魚が現れる。
「すげぇー!」
「あたしは星霊魔導士よ。門の鍵を使って、異界の星霊達を呼べるの。さぁ、アクエリアス!貴女の力で船を岸まで押し戻して!」
「ちっ」
「今『ちっ』って言ったかしらアンター!」
「そんなとこに食いつかなくていいよぉー」
「うるさい小娘だ・・・1つ言っておく。今度鍵落としたら殺す」
「ご、ごめんなさい・・・」
どうやらアクエリアスはかなりガラが悪いようだ。
「オラァッ!」
アクエリアスが大事そうに抱えていた水瓶を振るう。
その瞬間大津波が発生し、船だけではなくルーシィまでも巻き込んで、岸へとついた。
船の中でもナツや火竜も目を回す。
「一体・・・何事だ!?」
「止まったよ、ナツ」
「あぁ・・・揺れが・・・止まった」
船の中では、火竜をはじめとした数人の男に囲まれていた。
「ナツー!ルー!だいじょ・・・」
ルーシィの言葉が途切れる。
ナツとルーの表情は険しく、昼間食事した時とは真逆だったのだ。
「小僧共、人の船に勝手に乗ってきちゃイカンだろぉ、あ?」
火竜の言葉には答えず、ナツは着ていた上着を、ルーは羽織っていたマントを脱ぐ。
「おい!とっととつまみ出せ!」
「はっ!」
「行けない!ここはあたしが・・・」
「大丈夫」
鍵の束を手にするルーシィを、ハッピーが止める。
「言いそびれたけど、ナツもルーも魔導士だから」
「えーーーっ!?」
その間にも、2人の男がナツに向かっていく。
ナツは着ていた上着を脱ぎ捨てた。
「お前が妖精の尻尾の魔導士か」
「それがどうした!?」
「よォくツラ見せろ」
「ナツ、見る必要なんてないと思うよ」
ルーが小さく呟いた時、ナツは2人の男を纏めて投げ飛ばした。
片手で虫を祓うように。
「オレは|妖精の尻尾《フ
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