22部分:第二十二章
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第二十二章
「それで」
「ええ、それではすぐにでも」
警部もそれに頷く。まずはモンタージュが行われることになった。こうしてすぐにモンタージュ写真が作られることになった。速水だけでなく沙耶香もそれに協力し程なくして昨夜の白衣の魔人のモンタージュ写真が作られたのであった。出て来たのは昨夜二人が出会い、戦ったあの魔人であった。
「成程」
警部はモンタージュが完成しそこに現われた若者の顔を見てまずは頷いたような声を出した。
「若いですね。それに特に邪悪な雰囲気もないですね」
「容姿は確かにそうですね」
速水も警部のその言葉に頷いた。
「どちらかというと無邪気な喋り方でしたし」
「無邪気、ですか」
警部はその言葉に少し複雑な顔を見せてきたのであった。そこに何か思い当たるようであった。
「その無邪気こそが危険でしてね。いや、これはよくあることですが」
「無邪気だからこそ何をするかわからない」
速水は今度はこう述べてきた。
「そういうことですね」
「そうです。今回もそのようですね」
次第に嫌な顔になってきていた。やはりハンカチで手を拭く。
「何気なく大変なことを楽しんでやる。罪悪感なしでやる輩が最近多いのです」
「昔からだけれどね」
「まあそうですが。どちらにしろそういうタイプが一番腹が立つのですよ」
そう沙耶香にも返す。
「悪気はない、そうしたことで許されるものではないのですよ。しかも容疑者が未成年であった場合は事態がさらに悪化するのが普通で」
「出て来ますか、市民団体とか弁護士が」
「仰る通りです。人権がどうとか言いまして」
「戯言ね」
沙耶香はその人権という言葉を一蹴してみせてきた。まるでゴミか何かのように。
「被害者の人権ならともかく加害者、ましてや人の大切なものを何とも思わないような相手に人権も何もないでしょう。間違っているわね」
「はい」
警部もそれに頷く。
「その通りです。今度の相手もそのようですね」
「いえ、御安心を」
速水がすっと前に出て述べてきた。警部の横に来ていた。
「こちらの世界の住人ではありませんので」
「そうですか。やはり貴方達の仕事になりますか」
「はい。魔界の住人のようです」
「魔界ですか」
警部はハンカチで手を拭くのを止めた。そうして速水の言葉に耳を傾けてきたのだった。
「では魔人になりますね」
「そのものです」
こう返した。
「だからこそ。ああしたことをしてきたわけです」
「そうですか。だからですか」
警部はそれを聞いて納得したように述べてきた。
「やはり。それを考えると」
「そうです。全ては私達が」
「しますので。これまで通りお任せを」
「ええ、それは勿論です」
警部はあらためて二人の言葉に頷いてきた。もう
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