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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第145話】
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…それと、篠ノ之さんもだね」


 言うと、室内に居た専用機持ち全員の視線が篠ノ之箒に集中した。


「私……私は――」


 口を開き、言葉を紡ぐがそこへ突如ドアが開かれて。


「た、大変!ヒルトが……っ!」


 声の主は飯山未来だった。

 既に一次移行も済み、準備万端で有坂緋琉人を呼びに探しに行ったのだが部屋はもぬけの殻で、そこには誰も居なかった。

 そして、その声に真っ先に反応したのが妹の有坂美冬だった。


「みぃちゃん?お兄ちゃんがどうしたの?」

「へ、部屋に呼びに行ったんだけど……そこに居なくて……ッ!それで【コア・ネットワーク】使って調べたら……!!」


 その言葉を聞き、場に居たほぼ全員がコア・ネットワーク経由で有坂緋琉人の座標位置を調べ始める。


「こ、これは――既に福音と……してますの……?」


 口を開いたのはセシリア・オルコット。

 コア・ネットワーク経由で座標が割り出された有坂緋琉人の位置はまさに福音が居る空域を絶え間無くトップスピードで縦横無尽に移動していた。


「あんのバカッ!たった一人で……!」


 次に言ったのは凰鈴音、まさか自分達よりも早くに行動するとは思っていなかったのか、憤りを感じていた。


「僕たちに何も言わずに……。ヒルト……」


 誰に何も言わずに、出撃したヒルトの身を案じる様に呟くのはシャルロット・デュノア。


「っ……。あの時考えていたのはこの事だったのか……。嫁の考えにすら気付かなかったとは」


 もっと早くに気付いていればと、焦りの表情を見せたのはラウラ・ボーデヴィッヒ。


「ヒルトのバカッ!――一人で何でも背負い込んで……」


 表情は怒っているが、その声色は明らかにヒルトを心配してるのがわかる――言ったのは、飯山未来。


「……ここで言ってても事態は変わらないよっ。今すぐ行くよ、皆!」


 そう告げて皆をまとめたのが有坂美冬だった――だが。


「……すまないが、私は……」


 篠ノ之箒、彼女の戦意は戻ることはなく再度項垂れるように椅子に座り直した。


「……わかった。なら皆、行くよ!……篠ノ之さん、私たちは行ってくるから織斑君の事、任せたからね?」

「…………」


 返事はなく、皆が出た後に続いて有坂美冬も室内を後にする。

 また室内に訪れたのは静寂――椅子に座った女の子は、グッと拳を作ると力強く握り続けていた――。
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