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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第145話】
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覆う――だが。


「で、落ち込んでますってポーズ?」


 そんな静寂を破るように、凰鈴音の明るい声が聞こえた次の瞬間。


「――っざけんじゃないわよ!」


 そんな怒声が響き渡り、烈火の如く怒りを露にする凰鈴音。

 項垂れた篠ノ之箒の胸ぐらを掴むや無理矢理立たせた。

 その行動に、有坂美冬も慌てて止めに入る。


「り、鈴!?幾らなんでも――」

「美冬!あんただってムカつくでしょ!?もしかしたら、ヒルトだって一夏と同じ様に大怪我してたかもしれないじゃん!」

「それは……そうだけど……」


 自分の兄が同じ様に大怪我していたらと思うと、美冬は背筋が凍るような思いに駈られる。


「それに――今あたし達にはやるべきことがあるでしょうが!今!戦わなくて、どうすんのよ!」


 そんな凰鈴音の叫びが部屋を木霊する――だが。


「わ、私……は、もうISは……使わない……」



 篠ノ之箒のそんなか細い、消え入りそうな声を訊いて目を見開く凰鈴音。

 それもつかの間、すぐ目尻を吊り上げ、睨むと同時に平手打ち――。

 乾いた音が鳴り響く――だが。


「…………ッ!!」

「美冬……あんた……」


 凰鈴音の平手打ちよりも速く、有坂美冬の平手打ちが篠ノ之箒を捉えた。

 胸ぐらを掴まれたままの篠ノ之箒は何とか支えがあったから倒れなかったものの、突然、まさかの人物からの平手打ちにより二人とも驚いていた。


「……貴女、何のために専用機を自分のお姉さんにおねだりしたの?」

「…………」


 虚ろな視線が有坂美冬の顔を捉える。

「……貴女は、他の子達の頑張りや努力を無下にする様な行為をしたのよ?ISは467機しか存在せず、その中でも専用機と呼ばれる数なんて、たかがしれてるぐらいにしか数は無いのよ?」

「…………」

「……貴女は、一体何のために専用機を手にしようとしたの?織斑君と一緒に戦うため?それとも、自分の傲慢な力を見せつけるため?姉とは違う所を見せるため?」

「……………」


 有坂美冬の答えには何も答えず、ただただ黙って訊いている篠ノ之箒。


「例えどんな理由があろうと、貴女は専用機を手にした。――そんな貴女が、また自分の我が儘でISを使わない……。――そんな我が儘、誰にも罷り通らないし誰も許さない……。専用機を手にするという【重み】、そんなことも考えていなかったのでしょ?」

「――そ……そんなことはない!私だって悩んだ!あいつの妹のお前に、私の何がわかるって言うんだ!」

「……解るわけないでしょ?貴女、何にも言わないのに偉そうに言わないで」


「…………ッ!!
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