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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十三話:モンスター使いに開眼
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うむ。開いたようじゃな」
相変わらず拘束されたまま、穏やかな表情で応える師匠。
「これでドーラちゃんも、立派なモンスター使いじゃ。仲間が増えて連れ歩けなくなったときは、わしが預かるゆえ。他の町の同業者のところに魔法のネットワークが繋がっておるゆえ、どこででも預けたり、引き取ったりできるでな。他にも困ったときは、わしらを頼るが良い」
「ありがとうございます、師匠!」
拘束されながらも菩薩のような微笑みを浮かべる師匠に、私も感謝の笑顔を向けますが。
「……つまり、もうここには用は無いな」
「そうとも、言えるかしらね」
冷え切ったヘンリーの声と、冷静なイナッツさんの声。
「イナッツさん、悪いけど」
「そうね。残念だけど、仕方ないわね。二人とも、元気でね!あ、私に用なら、他のおじいちゃんに言ってくれれば伝わるから!二人のためなら、出張だってしちゃうかもよ!」
「すみません、イナッツさん」
「いいのよ!二人に会えるなら、私も嬉しいからね!」
なんか通じ合ってる、ヘンリーとイナッツさん。
「よし、ドーラ。帰るぞ」
「うん?そうだね。それじゃ師匠、イナッツさん。お世話になりました」
「いいえ!ほら、おじいちゃん!しっかり、お別れを言って!」
「ああー……嫌じゃー……!ドーラちゃんー!!」
「自業自得でしょ、諦めなさい!」
「後生じゃ、後生じゃから!今度だけ!ほんの、出来心だったんじゃー!!」
「犯罪者は、みんなそう言うのよ!!」
なんかよくわからんことになってる師匠とイナッツさんを置いて、ヘンリーに引きずられるように、モンスターじいさんの事務所を後にします。
「……ヘンリー。あのさ」
「忘れろ。何も無かった」
「……そう」
「いっそ、存在ごと忘れろ」
「それはちょっと」
よくわからんけど、一応お世話になったんだし。
「なら、そこはそれでもいいけど。来るなよ、ここには。二度と」
「うーん……。うん、わかった」
わからないが、逆らわないほうがいい気がする。
まあ、ここにこだわる必要は無いしね。
イナッツさんにちょくちょく会えないのは、ちょっと残念だけど。
「結構、遅くなっちゃったね。武器屋と防具屋は、明日だね」
「そうだな。オラクル屋に行くなら、丁度いい時間か」
「うん。行こうか」
「おう」
ということで、次はオラクル屋に向かいます。
何はなくとも、馬車を手に入れないといけないからね!
正式に、モンスター使いになったんだから!
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