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流星のロックマン STARDUST BEGINS
星屑の覚醒
9 Prototype Begins
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何もかもが自分を嫌っているように。
だがその時、彩斗のポケットに振動が走った。

「!?....何だ」

ジャミンガーは一歩、また一歩と近づいてくるのに、彩斗は振動の原因であるトランサーを開いた。
電源は切っておいたはずだった。
だが確実に電源が入り、ヴァイブレーション機能によって彩斗に何らかの情報を通知したのだった。
高解像度のIPS液晶にアプリケーションの起動認証が表示されていた。

Are you ready to start"BEGINS.EXE"?

[Yes] [No]


「!?これは....このメール、削除したはず...」

起動認証を求めていたのは、例のメールに添付されていたファイルだ。
数日前、『紺碧の闇』の門を叩き、決意を固めた段階で削除したはずだったものだ。
それがまるで幽霊のように現れた。
彩斗は今にも殺される寸前だというのに、驚きを隠せなかった。
だがこのプログラムを起動すれば何かが起こるという気がしていた。
現にこのメールに添付されていたもう1つのファイル『Memory』は自分の能力を電波障壁を発生させられるほどに発達させた。
何か不思議な魔力が宿っている。
そしてこのメールの文章も同様だった。
まるで実行することを促すような文面なのだ。

「....始める...覚悟」

メールの文面を思い出す。
自分自身の世界を知るための覚悟。
それを知るためにはこの場では死ねない、そう彩斗に思わせた。
彩斗はタッチパネル式のキーボードに触れた。

『覚悟なら...最初から出来ている...!』

迷うこと無く「Yes」を選択した。
この場で死ぬのは嫌だった。
ただ生き延びたい一心でプログラムを起動した。
すると左腕に僅かにしびれた感触が走る。
左腕が発光し、彩斗の左腕にリストバンドが現れた。

「.....」

トランサーは普通ならこのリストバンドに装着し、常に携帯しておくものだが、彩斗は違った。
敢えて取り外した状態でポケットに入れ、小型のモバイルPCとして使用していた。
トランサーは今でも高級端末だ。
もし腕につけて学校に登校するような事になれば、自慢しているとしてますますイジメが激しくなりかねない。
それを考慮もしていた。
だがこの場で彩斗は本来あるべき場所にトランサーを戻せばいいと理解した。
ゆっくりとスライドさせながら押し込んでいく。
そして遂に完全にドッキングされた。


TranceCode 000!! Rockman Desire!!!


トランサーから電子音が鳴る。
しかし何も起こらない。
ジャミンガーたちは既に彩斗から10メートル圏内に入った。
彩斗は最後の希望に裏切られたような気分で雨の降り止
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