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SAO─戦士達の物語
キャリバー編
百三十話 器の剣
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ら無事だったらしいな」
「うんっ!よかった……!」
自分達の方がよっぽど無事をあやぶまれていたくせをして、二人はそんな事を言って笑い合う。

「お〜い!兄貴〜!無事か〜!?」
「おーう」
「サチ〜、大丈夫〜!?」
「うん!大丈夫〜!」
ゆっくりと降下してくる巨大な水母と虎の上で此方に手を振るメンバーに向けて、リョウとサチは大きく手を振り返した。

────

「へぇ、クラインの努力も偶には身を結ぶ訳だな?」
「偶にはたぁなんだリョウテメェ!」
「いや、実際たまにすら実を結ばないだろ」
「う、ぅぅうるせぇ!!」
キリトのツッコミに反論出来ないクラインにその場に居る全員が朗らかに笑う。
あれから数時間。リョウとキリト、それぞれのパーティは、御徒町にある、エギルの「ダイシー・カフェ」に来ていた。
どうやらリョウ達と別れた後、ウルズ達から大量の報酬を受け取ったらしいキリト達と、「この後忘年会でもどうか」と言う話になったので、ALOかあるいはリアルでかと一瞬議論になった。ALOでやると、AIであるユイは100パー参加出来るのだが、しかし年末年始アスナは結城の本家に出掛けるらしいので、今回を逃すとキリトとアスナは暫くは会えない。
彼等の出来た娘は其処をちゃんと分かって居るらしく、気を利かせて「リアルでやりましょう!」と言ってくれたので、結果的には此処、ダイシー・カフェでの忘年会となったのである。

「でもさ、アンタ本当にソロソロ相手見つけないと、真面目に人生ソロプレイする羽目になるんじゃない?」
「まぁ、実際年齢的にねぇ」
「ぐはぁっ……!」
リズとアウィンによる言葉の矢が胸に突き刺さったらしいクラインが、血を吐いて倒れた(無論冗談だが)其処に更に追い討ちをかけるようにリョウが言う。

「ちなみにユイ坊、クラインが結婚出来る確立どんぐらいだ?」
「えっと、現時点では……」
「やめろぉ!真面目に計算すんじゃねぇぇ!」
リョウの問いに素直に答えようとしたユイの声をクラインが騒ぎ立てて遮る。
因みに今のユイの声は、キリトの隣にあるスピーカーから発されたものだ。メカトロニクス・コースを専攻しているキリトが現在学校で開発している、「視聴覚双方向通信プローブ」の端末、市販のウェブカメラを改造したものを部屋の数カ所に設置していて、現在VR空間に居るユイの周りには3D化したこの部屋の状態が展開されている。
リョウ達には見えないが、ユイにしてみると、いま彼女はカフェの中を自由に跳び回っていると言う感覚の筈だ。
ちなみに、リョウがプログラミングを手伝ったため、問題があった画質や動作精度はかなり高い。
まぁとはいっても、こんなものを使うのは今の所想定としてユイくらいの物なのだが。

さて、そんな事を話
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