第七章
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「それでその不良連中が喧嘩して暴れて死人まで出るんだよ」
「殺されるんだな」
「ああ、そういう漫画だよ」
ただ本屋に出ている時点で日本語は中国語になっているので広島弁の醍醐味はなくなっている、だがそれは彼等にはどうでもいいことだ。
それでだ、李はこう王に話すのだった。
「面白いぜ、だからな」
「それも読んでみるか」
「今度そうしようぜ」
そのドラマの話もした、そして。
アニメを観終わった、その竹何とかという女性声優や主役のアニメから何作か観て酒がさらに回ってだった。
李はだ、王にこう言った。
「もう一時だしな」
「ああ、もうそんな時間か」
「寝るか?もう」
こう彼に提案するのだ。
「それでまた明日な」
「明日休みだけれどな」
「だから明日もたっぷり遊ぶ為にな」
その為にもだというのだ。
「もう寝るか」
「そうするか、もう腹一杯だし観たいアニメも観たからな」
「そういうことでな」
「よし、寝るか」
二人で話してだった。
李は自分のベッドに、王は椅子の背を倒してそこに横になって寝た、そして朝起きると。
窓の外は暗かった、李は窓を開けないままこう言った。
「スモッグだな」
「ああ、そうだな」
「どう見てもな」
今では北京どころか中国の名物になってしまっている。
「外に出るとまずいな」
「ああ、マスクをしてもな」
それでもだった、あまりにも曇っているその外を観て言うのだ。
「これはな」
「どしようもないな」
「どうするよ、それじゃあ」
李は窓の外から王に顔を向けて彼に問うた。
「外には出ないよな」
「暫く止めた方がいいだろ」
王もこう返す。
「流石にな」
「そうだな、けれどな」
「けれどか」
「飯だな、それはどうするかだよな」
「まだカップ麺あるぜ」
これがあるというのだ。
「一つずつな」
「じゃあ朝はそれ食うか」
「昼になったらまた変わるだろ」
スモッグも減るというのだ。
「今天気予報見たらな」
「あっ、パソコンつけたんだな」
「もうすぐ雨らしいぜ」
それが降るというのだ。
「スモッグもそれで大分ましになるだろう」
「じゃあ出るのはそれからか」
「雨だけれどな」
「雨でもスモッグよりいいさ」
李は命の危険よりいささか鬱陶しい方を選んだ。
「じゃあ出るのは昼からだな」
「そうするか、じゃあそれまでの間は」
「昼までな」
それまでだとだ、李は王に対して言う。
「ゲームするか?」
「今度はアニメじゃないのか」
「ああ、ゲームな」
ちらりと部屋の横を見る、そこには安い彼等の国のテレビがあり。
そしてゲーム機もある、それを見ながら王に言ったのである。
「昼までそれするか」
「それで時間を潰すっ
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