暁 〜小説投稿サイト〜
保安官
第五章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
ではなかった、今の彼は。
「残ってはどうでしょうか」
「俺もか」
「はい、どうでしょうか」
「眉間のビルじゃないんだな」 
 オコーネルは背を向けたままだがまた言った。
「俺は」
「貴方はオコーネルさんですね」
 村長は彼の名前をこれとした。
「でしたら」
「そうか、俺はオコーネルか」
「ではですね」
「眉間のビルじゃないんならな」
 声が振り向いた、今は。
「それならな」
「はい、では」
 オコーネルはまだ振り向かないがその彼をだ。
 村人達は笑顔で囲んだ、そしてこう彼に言った。
「これからも宜しくお願いします」
「オコーネルさん」
「じゃあな」
 オコーネルはその彼等を見回した、そして微笑んでからこう言った。
「グレッグ=オコーネルはこれからもこの村の保安官でいさせてもらうな」
「はい、それでは」
「これからもお願いします」
 村人達は笑顔で彼を迎え入れた、オコーネルは彼等の中に戻った。
 それから眉間のビルに因縁のある者達は来なかった、グレッグ=オコーネルは村で妻を迎え家族を設け村で死んだ。その墓はオコーネルと書かれていた。西部の荒い時代の中に生きた眉間のビルはいなかった、彼は西部のそうした時代の中に生きその中に消えた、西部の歴史の中にはただそう書かれているだけだった。


保安官   完


                    2013・4・24
[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ