第6話:振り向いちゃダメ
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り、辿り着いた所は6体の石像が並ぶ不気味な空間。
恐怖と痛みで泣きながら、ビアンカに貰った薬草を使い傷を癒す。
周囲を見渡せば薄っらと見える中庭(?)への扉。
だが、其処へ辿り着くには不気味な石像の前を通り抜けなければならない。
『ただの石像じゃん!』って言い聞かせたいが、どれか1体は敵で、襲いかかってくるはずだ……
原作知識の所為でこんなにも恐怖を感じるとは予想外だ。
だが、この場に居ても恐いだけだし、早くビアンカを助けたいし、汗だくの手でマントの端を握り締めながら進む事を決断する。
1歩……また1歩……
少しでも早くこの場を抜けたいけど、恐怖で身体が巧く動かずゆっくり進むジレンマ。
どの石像が敵か判らないから本当に恐い。
(ゴト……ズ、ズズズ……)
すると俺の後ろで、何やら重い石の様な物が引き摺られる音がする。
更なる恐怖で硬直する俺。
ポケットから手鏡を取り出し、身嗜みを整えるフリをして後方の状況を確認する。
そこには石像が1体……
さっきまで6体が等間隔に並んでいたのに、1体だけ俺の真後ろに並んでいる。
ちょー怖ー! 100%モンスターじゃん!
この動く石像が『動く石像』じゃん!
振り向いて調べたりしたら『み〜た〜な〜』とか言って攻撃してくるんだ!
見ちゃダメだ……調べちゃダメだ……
振り返らず出口を目指そう。
ゆっくり1歩、出口へ踏み出す。
(ズズズ……)
後ろの石像も付いてくる。
少し足早に2歩進む。
(ズズズズズ……)
それに合わせ石像もやって来る。
駆け足で出口へ到達する!
(ゴド、ヒュン……ドスン!)
見てはいないので音から想像するが、奴ジャンプした!
どうしよう……コイツ中庭(?)まで付いてくるのかな?
原作ではシカトすれば此処でお別れだったが、現実的にこの部屋から出られない理由が思いつかない。
だが悩んでも答えは出ない。ゆっくり扉を開けて中庭(?)に出る俺。
(ズズズ……ゴトッ)
拙い……一緒に出てきちゃったよ。
振り向かないと諦めないの?
相手しないと永遠にストーキングしてくるの?
何処の裁判所に訴えれば、接近禁止命令を出せるの!?
雷鳴は鳴ってるが月明かりも輝いてる不思議な天気の中庭(?)……
俺は再度身嗜みを整えるフリで鏡越しに後ろの石像を確認する。
すると何時の間にか残り5体の石像とは違う姿になっており、例の土偶(ハニワ)の様な姿に変わっていた。
あれ〜……戦闘準備万端ってこと?
イヤイヤ……ボクちゃんまだ彼の存在に気付いてないから!
知らないよ……このままビアンカを助け、何食わぬ顔して先へ進むよ。
え〜っと……どちらの墓かなぁ〜?
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