第四章
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「そうした存在か」
「では恐竜は本当に今でもいるのか?」
「アフリカやインドでは時折そうした報告もあるが」
「このシーサーペントは恐竜なのか」
「昔から言われている様に」
「そうなのだろうか」
まずは恐竜説が立てられた、だが。
すぐにこの仮説も出た。
「鯨ではないのか?」
「鯨?」
「あれは鯨なのか?」
話は自然と海軍の上層部だけでなく他にも渡っていた、学者達だけでなく噂を聞いた貴族や政治家達もまた酒場や娼館で話を聞いた平民達も話した。
「昔鯨類ではないのか」
「あの身体の細長い鯨か」
「やはり昔にいたという」
「そういえば鬣があったな」
鯨説にはこの報告が大きく影響していた。
「爬虫類には鬣がないな」
「恐竜も爬虫類だからな」
「恐竜に鬣がある筈がない」
爬虫類にあるのは鱗だ、毛である鬣があることは考えられなかった。
「ではあれは鯨か」
「昔鯨類か」
「ゼウグロドンやそうしたものか」
その昔鯨類の代表的なものだ、二十メートルはあり細長い身体を持っていた。
恐竜ではなくそれではというのだ。
「そういえばシーサーペントには噴水の様に水を吹き出したという話が多い」
「絵にもなっているな」
「鯨が鼻から出すあれだな」
「それをしているのか」
「ではあれは鯨か」
それで決まりかけた。
「あれなのか」
「ゼウグロドンは今も生きていたのか」
「となるとこれはかなりの発見だな」
「ああ、そうだな」
シーサーペントは昔鯨類ではないかということに固まりだした、だがだった。
ある学者がこんなことも言った。
「いや、アザラシか何かではないのか」
「アザラシ?」
「あれはアザラシだったのか?」
「ゾウアザラシは七メートルにもなる」
この種類のアザラシは確かにそれだけの大きさになる、南アフリカなのでミナミゾウアザラシだがキタゾウアザラシは九メートルにも達する。
そしてそれだけの大きさならばというのだ。
「シーサーペントの大きさだな」
「そうだな、それ位だ」
「ではあれはアザラシか」
「たまたま遠い場所を泳いでいたのか?」
アザラシ説も有力になった、恐竜や鯨に加えてそれも出た。そして。
今度はこの生き物が出て来た。
「深海魚ではないのか?」
「深海魚?」
「そうだ、深海魚の中にはとてつもない大きさでだ」
それに加えてだというのだ。
「鬣に見えるものが頭にあるものもいる」
「ああ、そういえばいたな」
「あの謎に包まれた魚か」
「あの魚か」
日本でリュウグウノツカイという魚だ、この魚のことは謎に包まれてきている。深海にいてその数も少ない為何もかもがわかっていないのだ。
「そういえばあの魚はシーサーペントに見える」
「あの魚でも不思議ではない
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