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必死なのだ
第一章
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に逃げてくれ、いいね」
「わかりました、それでは」
「来年度といってもすぐだがね」
 この会社では四月一日から来年度だ、今は三月二十五日だ。本当にあと僅かで行くことになる。
「もう手続きはしているからすぐに向かってくれ」
「あの国に」
 赤穂も頷きそうしてだった。
 家に帰り妻の小百合に一連のことを話した、小百合は夫に晩御飯のおかずを出しながらそのうえでこう言った。
「死ぬの?ひょっとして」
「いや、俺も死ぬつもりはないよ」
 赤穂は難しい顔で妻に答える。テーブルの己の石に座ったうえで。
「そんなさ」
「そうよね、麻美子やっと小学校に入ったのに」
「麻美子と亜沙子の花嫁姿を見るまではな」
 強い声で言う、亜沙子は下の娘で四歳になったばかりだ。
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