第二章
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「あんたもなの」
「そうなの、生徒会にスカウトされてね」
「それでよね」
「そうなの、書記にね」
佐江はこう彩に答える。
「それで今から生徒会室に入るけれど」
「まさか会長さんから直接なんて」
「思わなかったわよね」
「とてもね」
こう言ったのである。
「私が生徒会に入るなんて」
「思わなかったわね、ただね」
「ええ、それじゃあね」
二人で顔を見合わせてその生徒会室に入った、扉は他の学校の部屋と同じものだ、その扉を開けて中に入ると。
机と席が五つあった、二組向かい合わせになっていて上座に一組ある、合わせて五つだ。
その配置を見てからだった。
部屋の中を見回すとガラスケースの棚の中に書類や本が数え切れないだけある、そして。
その上座、生徒会長用と思われる席にだった。
花瓶がありそこには百合が二輪あった、それは。
「赤と白ね」
「そうね」
彩と佐江はその二輪の百合達を見て話した。
「紅百合に白百合?」
「会長さんの趣味なのかしら」
百合は花瓶の中で向かい合わせの形で入れられている。
「綺麗だけれど何か」
「妖しい感じがするのはどうしてかしら」
二人はその百合達を見て少し不思議なものを感じた、その二人の後ろから。
「来てくれたのね」
「あっ、その声は」
「まさか」
「ええ、そのまさかよ」
笑っている言葉だった、そして。
二人が振り向くとそこにだった、二人より年上の女性がいた。
黒く綺麗なロングヘアに優しげな目、眉は薄い。唇は大きめで綺麗な赤が入ったピンクだ。
顔立ちは和風で和服も似合いそうだ、その彼女生徒会長である雅由紀が二人に笑顔で言ってきたのである。
「早いわね」
「すいません、先にお部屋開けました」
「誰かいると思って」
「いいのよ、実はさっき私もここに来てね」
そしてだというのだ。
「ちょっとお花にね」
「この百合ですよね」
「そう、それとなのよ」
にこりと笑ってあるものを出して来た、それはというと。
やはり赤と白だった、その色のペンを出してだった。
二人にそれぞれ差し出した、二本あった。
「これ探してたの」
「ペンですか」
「これをですか」
「うちの生徒会は前から色があってね」
「赤と白ですか?」
「この色なんですか」
「そうなの、この二色なの」
見れば由紀の左手には腕章がある。紅に白い字で生徒会と書かれている。
「そうなってるの」
「何でその二色なんですか?」
「縁起じゃないですよね」
「すぐにわかるわ」
由紀はにこりと笑って言った。
「ヒントは中国よ」
「中国?」
「中国何ですか」
「そうなの。じゃあね」
「はい、後の先輩達もですね」
「来られますよね」
「少ししたらね。顧問の先
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