第四章
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「監督の采配がまずいとチームは負けるんだよ」
これが落合だった、中日はこの彼の下順調に勝ち進み優勝した。そして阪神も。
四位に終わったか監督である岡田彰布はこう言った。
「一年目はわしは失敗ばっかりやったな」
「選手も不調だったのでは?」
「それを考えますと」
「いや、全部わしの責任や」
落合と同じことを言うのだった。
「選手は今シーズンもよおやってくれた、選手の能力を引き出せんかったわ」
「では来シーズンはですか」
「来年こそは」
「ああ、やるで」
真剣に将来を見る顔だった、己の責任を感じ取りながら。
しかし堀内はまだだった、こう言うばかりだった。
「来年もこんな様か、うちの連中は」
「何で勝てないんだ、俺はちゃんとやってるんだぞ」
「くそっ、マスコミの奴等好き勝手叩きやがって」
「俺の何処が悪いんだ」
マスコミやファンの言葉にも敏感に反応する様になっていた、そして。
選手達にはことある事に当たる感じになっていた、それでコミュニケーションを取ろうにも。
「へっ、バー堀内?」
「キャンプ中は夜は一緒に酒を飲んで選手と親睦を深めたいらしいぜ」
「おいおい、あれだけ嫌われててか」
「それはないだろ」
ファン達からは失笑の声が漏れた、そして実際に。
そのバー堀内とやらには誰も来なかった、それでだった。
堀内はどんどん追い詰められ挙句にはだった。
おかしな掛け声を出したり壁に向かってなあそうだろう、と呟いているという噂まで出る始末だった。チーム内の不協和音はどうしようもなくなっていた。
近鉄から強奪してきたローズはこう言った。
「ジャイアンツなんか大嫌いだ!」
最初は馴染もうとしていたが遂にこう言い出したのだ。そして二年目以降のことは。
「そんなことわからないよ」
もう契約するつもりはないということだった、それは表情にも出ていた。
チームの不協和音が止まらず堀内が采配を執る巨人はこのシーズンも負け続けた、他球団のファン達はその巨人を見てまた言った。
「いや、今年もお得意様だな」
「幾らソロムラン打っても駄目なんだよ」
「こっちは合理的に打ってやるからな」
「あの守備じゃ楽勝だしな」
「いや、堀内のお陰でチームはバラバラだしな」
「来年も監督やって欲しいな」
「うちの一番頼りになるサポーターだよ」
かつてヒトラーがドイツ国防軍崩壊の最大の功労者でありスターリンはドイツ軍最高の将軍と言われていた、今の堀内がそれだというのだ。
「このまま巨人を崩壊させてくれよ」
「負け続けさせてくれ」
彼等は堀内の続投を心から望んでいた、彼等は堀内を心から愛していた、
だが巨人は負け続けそれは深刻な有様だった、そして。
遂にフロントも密かに会議をしてこう言い
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