第一章
[1/2]
[1]次 最後 [2]次話
名選手だったが
よくこうしたことを言う人がいる。
「俺だったらこうしてたよ」
「俺だったらあんなことはしないよ」
野球の中継を見ながらの言葉だ、こうしたことを言う人は誰もが傍にいるだろう。
このことは野球だけではない、他のスポーツでもスポーツ以外のことでもだ。
だがやはり野球で多いのは事実だ、これは中継の影響である。
その野球の解説者で堀内恒夫という者がいる、かつて巨人とかいう自称球界の盟主のエースでありコーチでもあった、彼は解説の場でよくこんなことを言っていた。
「私には到底考えつきませんね、あんな采配は」
「私だったらあんなことはしませんよ」
よくこう言っていた、だが堀内を知る者はこう言うのだった。
「堀内?あいつは駄目だよ」
「あいつコーチとしてもおかしかったしな」
「というか威張ってばかりで人望もなかったからな」
「あいつの采配は簡単に想像がつくよ」
どう想像がつくかは言うまでもない。
「というかあいつは監督にならないだろ」
「というかなれないだろ」
「なりたくともな」
心あるファン達は誰もが思っていた、堀内は監督にはなれないとだ。コーチとしてもどうかという意見が多かった程だ。
しかし他球団のファン達はこう思っていた。
「堀内には巨人の監督になって欲しいなあ」
「ああ、絶対にな」
「あいつが監督になったら巨人は弱くなるからな」
「もうぶっちぎりの最下位になってしまえ」
良識ある世界の人々なら誰が思うことだ。
「巨人は最下位になれ」
「負けろ負けろ」
「堀内が監督になれば絶対に優勝出来ないしな」
彼等はよくわかっていた、堀内のことが。
「原はあれで安定していたからな」
「苦労してきたからな」
原辰徳が味わってきた辛酸は他球団のファン達の方がずっと知っていた。
「打っても罵られてな」
「散々叩かれてきたからな」
巨人ファンは王、長嶋の幻影ばかり追い続けていたのだ。その為原はいつもこの二人と比べられて劣ると言われてきたのだ。
だが原はどうだったかというと。
「黙々と耐えてな」
「努力してきたからな」
「それでチャンスで打ってたしな」
「ああ、あいつ勝負強かったよ」
「こっちは随分打たれたからな」
「それで負けたからな」
つまり原は決して駄目ではなかったのだ、そして巨人ファン達のいわれのない罵詈雑言に耐え野球をしてきた結果。
「原は監督としてよかったな」
「二年目は仕方ないだろ」
「河原が不調だったしな」
ストッパーの彼の不調、それにだった。
「ペタジーニも駄目だったからな」
「というかいつもの四番コレクションは守備を悪くするだけだからな」
「ペタジーニは元々ファーストだろ」
ヤ
[1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ