第三章
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「危ないわよ、これって」
「爆弾とかよね」
「ニューヨークって世界で一番賑やかだし」
「テロに遭いやすいのね」
「私はそれが心配だけれど」
「確かに。言われてみれば」
私も彼女の言葉を否定出来なかった、それでだった。
考える顔になってそして彼女に返した。
「マフィアとか強盗よりも危ないわよね」
「そうした人達は利益にならないと何もしないじゃない」
自分、自分達の利益にならなければだ。
「そんなテロとかは絶対にしないじゃない」
「それはしないわね」
「全くのお門違いだから」
「何か。心配の種が増えたわ」
「早く帰ってくればいいわね、彼」
「本当にね」
彼女とこうした話をした、私はさらに心配になったがその日にだった。
仕事、残業が終わってそれで部屋に帰ってお風呂に入ってそこから出て缶ビールを開けた。少し飲んでからパソコンに向かおうとしたら。
部屋に置いてあった携帯が鳴った、彼女からだった。
何かと思って出ると携帯の向こうから狼狽しきった声で言ってきた。
「テレビ点けて、すぐに」
「テレビって。最近面白いのないから」
だjからパソコンのゲームをしようとしていた、そこで言われたのだ。
私はそうした理由で彼女にこう返した。
「テレビはいいわ」
「ニュースよ、ニュース」
「ニュースもネットにつないでるから」
それで見ればいいじゃないと言おうとした、だが。
彼女はその狼狽しきった声でまた私に言ってきた。
「違うわよ、とにかくね」
「テレビ?」
「今映像で映ってるから、早く見て」
「一体何なのよ」
私はあまりにも慌しく言う彼女に辟易しながらも応えた、そしてだった。
そのテレビを点ける、するとそこに信じられないものが映っていた。
高層ビルに飛行機が突き刺さっていた。そのビルはというと。
「まさか」
「ニューヨークよ」
彼女は声が青くなっていた、おそらく顔も。
「あそこで起こったのよ」
「突き刺さっているとかって」
「信じられないわよね」
「一体何が起こったのよ」
「世界貿易センターにね」
ニューヨークの象徴である今飛行機が突き刺さっているビルにだった。
「飛行機が突っ込んで」
「事故、いや」
「違うわ、多分ね」
「テロよね」
「そうみたいよ。何か大変なことになってるわよ」
「塔・・・・・・」
世界貿易センターの通称だ、即ち。
「ツインタワーが」
「どうしたの?」
「結果が」
占いの結果、それだった。
塔はタロットで最悪のカードで正でも逆でもその示すものは悪いものというどうにもならないカードだ、破滅や崩壊を意味する。
私はそれを考えた、だがだった。
今回の意味はありのままだった、つまり。
「塔とはこういうことだったの
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