第1章 剣の世界
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直後、巨体のわりに俊敏な動きで剣を回避してのけた青い猪が、攻撃者にむかって猛烈な突進を見舞った。
その突進は見事に直撃、クラインはそのまま地面に転がっていった。
クライン「っててて...!!」
お腹をおさえて悶絶するクライン
ヤマト「大袈裟だなぁ…痛みは無いはずだよ?」
クライン「あれ? おぉほんとだ!」
ヤマトの言葉に気がつきクラインはそのまま立ち上がった。
キリト「ははは...クライン、重要なのは初動のモーションだ」
クライン「ンなこと言ったってようぉ、キリト...あいつ動きやがるしよぉ」
キリト「動くのは当たり前だ、練習用のカカシじゃないんだぞ?」
ヤマト「でも、ちゃんとモーションを起こしてソードスキルを発動させれば、後はシステムが技を命中させてくれるよ」
クライン「モーション...モーションねぇ...」
呪文のように繰り返し呟きながら、クラインは右手に握られた海賊刀をひょいひょいと振った。
青い猪、正式名《フレンジーボア》はレベル1の雑魚モンスターだが、空振りと反撃被弾を繰り返しているうちにクラインのHPバーは半分近く減少してしまっている。
猪の突進を剣でブロックしたキリトは、うーんと首を捻った。
キリト「どう言えばいいかなぁ...一、二、三で構えて振りかぶって斬るんじゃなくて、初動でほんの少し溜めを入れてスキルが立ち上がるのを感じたら、後はこうスパーン! って打ち込む感じで...」
クライン「スパーン、てよう...」
悪趣味なバンダナの下で、剛毅に整った顔を情けなく崩しながらも、クラインは曲刀を中段に構えた。
すう、ふー、と深呼吸してから、腰を落とし、右肩に担ぐように剣を持ち上げる。
すると、規定モーションが検出されたのか、ゆるく弧を描く刃がぎらりとオレンジ色に輝いた。
クライン「りゃあっ!」
太い掛け声と同時に、これまでとは打って変わった滑らかな動きで左足が地面を蹴った。
シャギーン! と心地いい効果音が響き渡り、刃が炎の色の軌跡を宙に描いた。
曲刀基本技《リーバー》が、突進に入りかけていた猪の首に見事に命中し、半減しかけていたHPを吹き飛ばした。
「プギー...」っという哀れな断末魔に続いて巨体がガラスのように砕け散り、ヤマトとキリトの目の前に白いフォントで加算経験値の数字が浮かび上がった。
クライン「うおっしゃあああ!」
ヤマト「初勝利おめでとうクライン」
キリト「けど今の猪、他のゲームだとスライム相当だけどな」
クライン「えっ、マジかよ! おりゃてっきり中ボスかなんかだと」
キリト「なわけあるか」
笑いを苦笑いに変えながら、ヤマトは曲刀を腰の、キリトは剣を背中の鞘に収めた。
クラインはおさらいのつもりか、同じ
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