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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十二話:初デート的ななにか
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そうだけど。

「このほうが、それらしいだろ」

 虫除けを兼ねてるわけだから、それもそうなんですけど。

「いいから、行くぞ」

 でも、なんだか納得いかない。
 ……()せぬ!


 と、もやもやした思いを抱えつつ、うまい反論も思い付かないので、そのままヘンリーに引っ張られたりヘンリーを引っ張ったりして、町を見て回り。

「あ、ヘンリー。あっちも見てみたい」
「そうか。じゃ、行くか」

 必要な場所を確認する以外にも、色々と気になるお店を、冷やかして回って。

「うわー、キレイだねえ。余裕ができたら、こういうのもいいなあ。使う機会無さそうだけど」
「……似合いそうだな。たまには、いいんじゃないか?女らしい格好しても」
「うーん……。そうだね、たまにはね」
「買うか?」
「うーん。いいよ、今日は」
「そうか」

 昼時になったけど、店に入って落ち着いて、という感じでも無いので、屋台で見慣れない料理にはしゃぎながら色々買って、食事を済ませて。

「あ、あれも美味しそう。似たようなのも見たことないし、買おう、買おう」
「そんなに買って、食えるのか?」
「半分こすれば、大丈夫だって」
「俺も食うのか」
「イヤ?」
「いいけどよ」
「じゃ、いいね。すみません、ひとつください!」

 ……完全に、デートですね、これ!
 そう装ってるんだから、当たり前だけど!
 だが……解せぬ!!



 ひと通り目当ての場所を確認し終えて、モンスターじいさんのところに向かいます。

「ごめんくださーい」

 呼びかけながら、薄暗い地下室に入ります。

 と、素早く近付いてくる人影。

 室内の暗さに目が慣れて、人影がじいさんだと認識する前に手を取られ、引き寄せられて目を覗き込まれます。

「おお!お前さん、モンスター使いの才能があるの!わしの教えを、受けてみぬか?」
「あ、はい。お願いします」
「そうか、そうか。ならば、奥に入りなされ。ん?なんじゃ、お前さんは。部外者は立ち入り禁止じゃ、さっさと帰りなされ」

 私の肩を抱いて奥へと誘導しつつ、ヘンリーに向かって追い払うように手を振る、じいさん。

「あの。それ、私の連れなんで」
「なんじゃ、そうか。ならば、仕方あるまい」
「……」

 無言かつ無表情で私をじいさんから引き離し、背後に隠すヘンリー。

「……あのー」
「なんじゃ!指導の邪魔じゃ!やはり、出てゆけ!」
「セクハラじじいの指導なんか、受けさせられるか」
「なんじゃと!愛を以てモンスターを従える、モンスター使いの指導じゃ!師弟にも当然、愛は必要じゃろう!」
「触る必要はねえだろ」
「スキンシップはコミュニケーションの基本じゃ!」

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