暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第11話
[10/14]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ね。もう休んでいいわよ」

俊吾は朦朧とする意識の中でその言葉を聞き、そして意識を手放した。

◇   ◆   ◇   ◆

「さて……アルメル、その娘を放してもらえる?」

「それはできない相談ね」

「じゃあ、やることは決まってるわね」

「そうね……」

二人は体を緊張させる。先に攻撃を仕掛けたのは、楯無だった。

水をアルメルの周りで霧状にさせる。そして、一気に熱を上げ、相手のシールドエネルギーを知らぬ間に削る。だが、アルメルは即座にその場から離脱。離脱しながらも銃で応戦。その弾丸を楯無は水のカーテンで防ぐ。銃の攻撃が効かないと分かると、アルメルは近接ブレードをコール。楯無に突っ込む。

楯無もそれに応戦するために、蛇腹剣(ラスティー・ネイル)をコール。つばぜり合いの状態になる。

「腕は鈍ってないようね、楯無」

「それはこっちのセリフよ、アルメル。あなた、最近表舞台に立ってないじゃない。こういうことばっかりやってたんじゃないの?」

「…………」

沈黙は肯定という意味なのだろう。アルメルは楯無を突き放し、切りかかる。その攻撃は変則的であるが、なめらかで鮮やか。初めて見るものを翻弄、魅了する。だが、楯無はその攻撃を冷静に対処していく。どの攻撃も、楯無には届かない。

「でも、あなたは腕落ちたんじゃない?」

「っ!」

楯無の一言にアルメルは目に見えて怒っているようだった。動きが直線的になり、大振りになる。楯無はその攻撃をそっと受け流す。すると、アルメルは体勢を崩しその場に倒れこむ。その間、楯無はランスに水を纒い、高周波振動させる。

蒼流旋。この武器は、水を纏いながら攻撃しランスの攻撃だけでなく、水の振動でも相手にダメージを与えるという武器だ。

それを構えながら楯無は言った。

「アルメル……今からでも遅くないでしょ?こんなことはやめて」

「私には……後がないのよ。もう、私の存在意義はこれだけなのよ…………」

「…………」

アルメルの言葉を聞いた楯無は何も言わなかった。その気持ちが手に取るように分かってしまうから。アルメルの言葉の真意は分からないが、アルメルから戦意は見られなかった。

「……アルメル、そこに寝てる二人を連れて帰りなさい」

「……え?」

「今回のことは別な方向で責任を取ってもらうわ。だから、絶対に表に戻ってきなさい」

「…………ありがとう。絶対に戻ってみせるから」

アルメルはそう言って、リヴァイブの操縦者を抱え消えていった。

「さて……そろそろ頃合かしら」

楯無はそう言いながら、その場から消えていった。

◇   ◆   ◇   ◆

「全機落とされただと!?」

「はい」


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ