第83話
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っておきましょう。
チェックメイトです。」
一〇七秒。
それでは、リドヴィアの居場所を探った所で、誰もそこへ向かえない。
それ以前に、傷だらけの土御門をここへ呼ぶまでに時間を使い切ってしまう。
ステイル=マグヌスは息を呑み。
リドヴィア=ロレンツェッティが通信の向こうで笑みを含み。
上条は歯を食いしばって、星空へと変わりつつある紫色の空を眺める。
(何か打開策は・・・・)
諦めてはならない、という気持ちだけが空回りする状況するの中。
(この状況をひっくり返す、最後の最後の切り札はないのか!!)
藁にもすがる想いで上条は思考を働かせようとした時だった。
「あっ、あ〜あ〜、テステス。
こっちの声はちゃんと届いているか?」
声は突然聞こえた。
それは上条のポケットから聞こえた。
ポケットの中には携帯だけしか入っていない。
上条はそれを取り出すと、携帯の表面に何やら文字が書かれていた。
「当麻、くれぐれもその文字を右手で触れるなよ。
通信が切れてしまうからな。」
この声は麻生恭介だ。
上条は慌てて携帯を左手に持ち替える。
「さて、リドヴィアと言ったか。」
「貴方は誰ですので?」
その場にいない二人の声だけが響き渡る。
「麻生恭介、ただの通りすがりの一般人Aだ。」
リドヴィアはその名前に聞き覚えがあった。
オリアナが唯一、注意するべき人間だと言っていた名前だ。
「今は時間もないし、簡単に言ってやるよ、リドヴィア。」
「何をです。」
リドヴィアはそれでも余裕の態度を崩さなかった。
残り九〇秒。
勝利を確信していたからだ。
「まだ勝負も決まっていないのに勝った気でいるなよ。
残り八〇秒でも逆転できる人間はいるんだぜ。」
「まだ勝負も決まっていないのに勝った気でいるなよ。
残り八〇秒でも逆転できる人間はいるんだぜ。」
麻生は弓を構えていた。
眼を千里眼に変え、ルーンの文字から伝わる通信術式の魔力を逆探知してリドヴィアの位置を特定して、既に麻生の眼にはリドヴィアの姿も突き刺さる「使徒十字」も捉えている。
そして、矢は漆黒の矢。
名前は赤原猟犬。
射手が健在かつ狙い続ける限り、標的を襲い続ける矢である。
元は剣だが矢に変形させている。
その矢に魔力を莫大な注ぎ込む。
この矢に込める魔力が最大なら、約四キロの距離を数秒で到達する速さまで達する。
麻生のいる位置からリドヴィアの所まで数秒くらいで到達する。
そして、狙うのはリドヴィアではなくその前にある「使徒十字」である。
矢を持っている手を放す。
それと同時にリドヴィ
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