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とある星の力を使いし者
第83話
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らし続けましたので。」

修道女の声が続く。

「「使徒十字(クローチェディピエトロ)」は使用には時間がかかりますし、ポイントとなる「天文台(べルヴェデーレ)」も固定されていますので。
 一番懸念すべき問題は、やはり全ての「天文台(ベルヴェデーレ)」を事前にそちらの迎撃要員に押えられてしまう事で。」

リドヴィア=ロレンツェッティは、淡々と事実だけを告げていく。

「我々としては、いかにこれを防ぐかに焦点を当ててきましたので。
 そこで、オリアナが学園都市内部で意図的に動きを見せる事により、貴方達迎撃要員の目を全て街の内部へ向けされるという作戦を考えましたから。」

(コイツ・・・・ッ!!)

上条は歯噛みするが、かと言って具体的な対抗策が浮かぶ訳でもない。

「彼女が撃破されてしまったのは残念ですが、それすらも「使徒十字(クローチェディピエトロ)」は都合の良い方向へ改変してくれるかと。
 結論を言えば、彼女の敗北は、いくらでも取り返す事のできる些事に過ぎませんので。
 学園都市の外から「使徒十字(クローチェディピエトロ)」によって学園都市を丸ごと支配してしまえばそれで形勢逆転、計画通りという事になります。」

リドヴィアの言葉は平淡なままで、それが余計に、上条達が今までやってきた事全てを否定されるような気分にさせられる。

「ちなみに私の位置は貴方達のいる場所からあまりに遠く。
 街の外に応援がいた所で、彼らが到着する前に事を終わらせる自信はありますので。」

「くそっ!じゃあどうすりゃ良いんだよ!!」

上条は叫ぶが、その程度で決定的な反撃策が浮かぶはずもない。
絶望的な空気が漂う中、リドヴィア=ロレンツェッティの声だけが周囲に響く。

「我々は貴方達も受け入れます。
 学園都市の破壊は行いません。
 この大覇星祭というくだらない祭典(・・・・・・・)を、あくまで科学が教会に屈するための素晴らしいデモンストレーション(・・・・・・・・・・)の場にするだけ。
 我々は科学という異教を捨てさせたのち、貴方達を愛すべき同胞として抱き締めるのです。」

ステイルはボロボロの身体を動かして、懐から血に濡れたルーンのカードを取り出す。

「君は、土御門を、呼べ。」

ステイルは、喉の奥から声を絞り出しながら言う。

「「占術円陣」だったか。
 オリアナの、迎撃術式を逆探知する魔術が、あったはずだ。
 それをリドヴィアの通信に応用して、場所を割り出す。
 後は、僕の通信術式を使って、外の舞台に任せれば・・・・」

「無駄ですので。
 「使徒十字(クローチェディピエトロ)」によって世界が改変するまで、残り一一二秒。
 いや、今一〇七秒になりましたか。
 ここではっきり言
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