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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十一話:オラクルベリーの町で
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よ。オレとのほうが、絶対楽しいって」
会ったばかりで許可も無く体に触れてくるとか、無いわー。コイツは無い。
とは言え振り払って事を荒立てるのもなんだし、さてどうするか。
と、一瞬また考えていると。
「いてっ!いてててて、痛いって!!なんだよ、誰だよ、お前!」
肩から手が外れ、ナンパ男が悲鳴を上げます。
「コイツの連れだが。お前こそ、誰だ。なんか、用か」
ヘンリーが、ナンパ男の腕を捻り上げてます。
こういう時は男に任せたほうがいいとは言え、ちょっとやり過ぎ感もありますが。
イラッとしてたから、まあいいか。
「お前に用なんか、ねえよ!オレはその娘に、って、痛い痛い痛い!は、離せ!」
「ちょっと、ヘンリー。怪我はさせないでよ」
回復のために、ソイツに近付くとかイヤだし。
と、さりげなくヘンリーの腕に手を添えて、親密感をアピールしてみます。
ヘンリーが手を離し、ナンパ男が慌てて距離を取ります。
「ちっ!気ィ持たせやがって!そうならそうと、言えってんだ!」
わかりやすい捨て台詞を吐いて、逃げ去るナンパ男。
うーん、やっぱりナンパで運命の出会いとか、そんな都合のいいことは無いか。
最初から思っては無かったけど、まあ場数だよね、場数。
「ありがと、ヘンリー」
「いや。離れて悪かった。……気、持たせたのか?」
「案内してくれるって言うからさ。助かることは助かると思って、ちょっと考えてただけ」
「あんなのに、案内させなくても。道くらい歩いてりゃわかるだろ」
「あんなのってわかってたら、頼まないよ」
「それでも肩抱かれるとか、油断し過ぎだろ」
「うーん。そこは、そうだね。でもヘンリー以外の若い男性と、まともに話すのも十年ぶりだし。そのうち、慣れるって」
「慣れる前になんかあったらどうすんだよ」
なんかって、割と取り返しのつかない何か?
「そこまでは無いって。さすがに」
力ずくで来るなら、負けないし。
力で抵抗するほどでもない微妙な線で来られるのが、慣れないと困るだけであって。
「……よく、わかった。行くぞ。色々見る前に、先に宿取ろう」
「うん」
と、宿を探して歩き出そうとすると、ヘンリーに肩を抱かれました。
「……あの」
「アイツは良くて、俺はダメなのか?」
いや、アイツも良くは無かったんですが。
「こうしとけば、はぐれないだろ」
ここまでしなくても、気を付けてればはぐれないと思うんですが。
「嫌なのか?」
「そういうわけじゃ」
十年馴染んだ安心感のようなものは、あるんですけど。
「なら、いいな。行くぞ」
さっき同じようなことした手前、やめろとも
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