第二十一話 さっさと片付けてこい!
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が辞任してもおかしくは無かった。まして総参謀長があんな目に合わなければ要塞は落ちなかった可能性が有る。軍上層部の失態は明らかだろう。だが辞任したのはミュッケンベルガー元帥だけだ。あれで責任を取ったと言えるのか?」
「そうだな」
ミッターマイヤーの言う通りだ。ミュッケンベルガー元帥が責任を取って辞任したとはいえ内実は心臓に疾患が見つかったため辞任した事が分かっている。本来なら貴族達が他の二人の辞任を求めて騒いでもおかしくはない。だがそれが無い、或いは政府上層部、貴族達の間で密かな取引が有ったのではないか、そう思わせる曖昧さが有る。
「皆、不満を持っている。平民だけが何故酷い目に合うのかと。実際にこの国を守っているのは俺達の筈だと」
「下級貴族も変わらんさ。お偉いさんからはまるで相手にされていない」
「卿が言うと実感がこもっているな」
「からかうな、ミッターマイヤー」
一口ワインを飲んだ。どうにも苦みを感じる。心の底から美味いと感じられない。
「いずれ反乱軍が攻め寄せてくるぞ、それなのにこの状態で戦えるのか?」
「全くだ、宇宙艦隊もまだ編成途上だ。今のままでは到底戦えん」
「総参謀長閣下はどう考えているのかな?」
「さて、俺にも分からんな」
分かっている事は貴族達が宇宙艦隊の司令官職に自分達の息のかかった人物を就けようとしたこと、そしてそれを総参謀長が防いだことだ。グリンメルスハウゼン老人なら容易く操れると思ったらしい、姑息な事を。そしてもう一つはメルカッツ大将がグリンメルスハウゼン元帥府に加わる事になった事だ。ミュッケンベルガー元帥が退役した事で遠慮がいらなくなったという事だろう。
だが現時点では宇宙艦隊は六個艦隊しか編成されていない、グリンメルスハウゼン元帥の直率艦隊を入れても七個艦隊だ。ミッターマイヤーの言う通り不安は有る。果たして総参謀長は如何するつもりなのか……
「良いニュースと言えばカストロプ公が死んだことくらいだな。あの男が死んで少しは政治も良くなるだろう」
「そうだな」
汚職政治家の宇宙船での事故死か……。さて本当に事故なのか、疑えばきりがないが怪しくは有るな……。
帝国暦 487年 5月 30日 オーディン 帝国軍中央病院 ヴァレリー・リン・フィッツシモンズ
「それでカストロプ公爵家はどうなりました」
「マクシミリアンのカストロプ公爵家相続が延期になったそうです。帝国政府は財務省の調査が終了した時点で先代カストロプ公が不当に取得した分を除いて相続を認めるとか」
ベッドに横になっているヴァレンシュタイン総参謀長がクレメンツ提督の言葉に頷いた。
財務尚書オイゲン・フォン・カストロプ公爵が宇宙船の事故で死んだ。十五年近く財務尚書を務めたらしいけど酷い汚
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