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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
六十話:広い世界へ
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、戦闘の準備です。
装備を
調
(
ととの
)
えます。
それくらい出る前にやっとけって話だが、幼女に縋り付かれたりなんだりで、危なくて武器とか取り出せる雰囲気じゃなかったので。
「はい、ヘンリー」
鎖の鞭
(
チェーンクロス
)
と、鉄の盾を差し出します。
十年前に使いっぱなしで取り上げられてましたが、リンガーあたりがやってくれたのか、きちんと手入れされた状態です。
「いいのか?」
「うん。私、こんな格好だし。後ろからブーメランと魔法で戦うから、前衛よろしく」
「こんな格好……」
ヘンリーがまじまじと私の全身を眺め、また顔が赤く、ってしまった!
旅立ちのどさくさで折角治まってたニコポ効果が、また!
「ヘンリー!ほら、魔物!」
都合良くエンカウントしたので、ヘンリーの注意をそちらに向けさせます。
ヘンリーがはっとして魔物に向き直り、武器と盾を構えて向かって行きます。
ふう、危ないところだった。
ヘンリーを無事に正常な状態でけしかけたところで、私もブーメランと皮の盾を構え、戦闘に参加します。
動きにくい服装とは言え前衛にヘンリーがいるし、ブーメラン投げるくらいならそんなに大きく動く必要も無いし。
レベルとかどうなってるのかわからないけど、十年修業した成果で私たちも強くなってるし、いっそ呆気ないほど簡単に敵を殲滅します。
シャバでの初戦闘を終えて戦利品を集めるヘンリーに、労いの言葉のひとつもかけたいところですが。
うっかり声とかかけたら、また再発しそうだよなあ……。
この格好も良くない気がするよ、ギャップ萌え的な。
動きにくいし、町に着いたらとりあえず服を買おう。
ということで適当に、お疲れー、みたいなことを言って流します。
はあ、変なとこ、気を使うわ。
オラクルベリーに着くまでの辛抱だ、頑張ろう。
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