暁 〜小説投稿サイト〜
黒い烏が羽ばたく魔世に
第一章 「グレン・ポッターと賢者の石」〜Glen Potter and The Philosopher's Stone〜
1話 The crow mansion of Monte Lung.「モンテルンのカラス屋敷」
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かないことだった。
原作のハリーはおじさん達によって魔法から隔離されて生活していたが、オレは全くその正反対で魔法以外から隔離されて生活しているような物だった。閉鎖的な祖父は、国民の祝日なんてものは有難がらなかった。
だが、オレの誕生日の日だけは祖父は祝日だと思ってくれているようで、年に一度、祖父に連れてもらって一緒に父と母の墓参りをするのもこの日だった。もっとも、祖父がオレにくれる誕生日プレゼントは、また新しい知識を学ぶための本などになるから、結局休日でも意識が勉強から離れることはなかったが。

だが、それも結果的にはオレにとって都合の良いことだった。知識が増え、多くの呪文が使えるということは、それほどにヴォルデモートを倒すために動きやすくなるということだ。それに、全般がと言うわけではないが、魔法を学ぶのは楽しかった。
まぁ、実際のところは休日はなくても一日の中での休憩時間はあるわけで、それもなかったらさすがに、オレも母のように家出したと思うけれど。



そして今はちょうど休憩時間を兼ねた昼食の途中だった。オレはダイニングに戻ってすぐに、食事を続けていた祖父に手紙が来たことを報告した。それを聞いた祖父は口に食べ物が入ったまま唸ったがが、横で料理を出していたルクドーは手を叩いて喜んだ。

「なんだもう来たのか。もう少し後だと思っていたが・・・そうだな。次のおまえの誕生日の日に学校で必要なものを買いに行くとするか」
「え、じいさんもいくの?」

滅多に外出をしたがらない人嫌いの祖父が、まさか人の多いダイアゴン横丁に行きたがる筈がないだろうと思っていたオレは、まるで一緒に行くといった内容に取れた話し方を聞いて思わず訪ねてしまった。
モラルドはそれはもうダイアゴン横丁に行くのが大層嫌そうな顔をしながら言った。

「ここの所、何年も行っていないからな。新しい本を見に行く必要もあるだろう」

やっぱり、本当は嫌なようだ。まぁでも、ダイアゴン横丁に行くのは外出嫌いな祖父にとっての良い気分転換にもなるだろう。

ちなみにその後、入学を希望する主旨を書いた手紙は、フクロウに変身させたカラスに届けてもらった。カラス屋敷に、フクロウは1匹も居ないからな。
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